- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/12/08
- メディア: DVD
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「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を見るのは20年ぶりくらいだと思う。
ロバート・デ・ニーロ扮するユダヤ系ギャングの男が、わけあって仲間を裏切り、逃亡し、35年ぶりに街へ帰ってくる、というストーリー。
最初見たときもいい映画だなと思ったが、今、見ると、感じ方がまたちょっと違うようだ。
デ・ニーロ扮する初老の男は、ひたすら何かに耐えている。人生の重みみたいなものだろうか。
ガキの時分にも、渋いぜ、と思ったが、今は共感に近いものがある。
いや、もちろん、わたしは、ユダヤ系ギャングなんかとは100億光年離れた、ゆるんだ毎日を送っておるわけですが。
何というか、年をとってくると、あちこちがくたびれてくる。肩が凝る。筋繊維が古びる。
そういう、いかんともしがたい体の重みが生む、億劫さと悲しみみたいなものが、シンパシーを呼ぶのだ。
デ・ニーロ扮する男に、青年時代のような活動性は全くない。精神的なことが原因なのだろうが、それをもたらす体の重み、みたないものもあるのだ。そうに違いない。そう決めた。
セーショーネンよ、わからないだろう。そのうちわかるぜよ。ああ、いかんともしがたい。
ところで、初公開時の映画は、映画会社側が勝手に編集し、ストーリーを、少年時代〜青年時代〜初老、と時系列順に並べ替えてしまったのだそうだ。確かに、昔見たとき、そういう順だった覚えがある。
DVDになっているのは、本来の映画の順。受け取るものがだいぶ違うように思う。
4時間近い長ーい映画だが、長すぎると感じることはない。
DVDに収録の短いドキュメンタリーもいい(わたしはレンタルで見たので、上記のDVDに入っているかどうかはわかりません)。
監督のセルジオ・レオーネは、俳優やスタッフに深く敬愛されていたようだ。映画監督として、ということももちろんだが、インタビューからは、現にそこにいた、太った情熱的なオッサンに対する愛情が感じられる。
体が何となく重い、いかんともしがたい年齢の方々に、おすすめである。