掛け声

 今朝の朝日新聞に「寄席の掛け声 ちょっと待った」という記事が載っていた。サブの見出しに「『ブーム』で乱発気味 芸の質落とす心配も」とある。


 掛け声が落語の芸の質を落とすかどうかはわからないが(関係ないのではないか)、落語の会に行くと、確かに間の悪い掛け声を聞くことがある。
「待ってました」とかその程度なのだが、妙に浮いた感じに聞こえる。てらい、自己顕示欲を感じるときもある。


 特に、客席の熱気がさほどでもないときの掛け声が、浮いて聞こえる。ああいうのには空気があり、掛け声は個人のものであって個人のものでないのかもしれない。


 その点、歌舞伎の掛け声、いわゆる大向こうはあまり外れがないように思う。
 主役クラス登場のとき、たいてい客席に高揚感が漂っているし、芝居のクライマックスで役者が見得を切って「ほら、ここんところで声をくれ! カモン!」という具合になるからかもしれない。


 歌舞伎の大向こうは半ば玄人化しているようで、そのせいもあるのだろう。あれは、素人がやるには勇気がいる。


 ところで、昨日、国会中継を見たのだが、与野党ともに、代表質問に熱が入り、なかなか面白かった。質問というより、選挙向けの演説のようでもあった。
 拍手や汚いヤジも混じり、時に騒然とするのだが、ああいうのも掛け声をやったらどうか。


 質問や答弁のいいところで、「ハ・ト・ヤ・マ!」、「イチローチャン!」、「ヨッ、カン・ジ・チョウ!」、「シマネ・イック!」とか。ダメか。