気弱な人

弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術

弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術

 という本があるそうだ。いや、読んでいないので、内容は云々できない。


 わたしも気弱なので(何しろ、産院で生まれた直後に、医者や看護婦が注目しているのにびっくりして、すごすご産道に戻っていったくらいである)、心惹かれるものがある。
 しかし、この本、気弱な人は買えるのだろうか。


 書店で“交渉、うまくなれるといいなあ”と思っても、買おうとすると、“レジの人に、この人気弱なんだな、と思われるのでは”と気弱の虫が蠢いてしまい、結局、買えないのではないか。
 もしかすると、手に取った時点で、“今、まわりの人に気弱に見られているんじゃないか”と、すごすご棚に戻してしまうかもしれない。


 これでは気弱な人というより、自意識過剰の人か。


 であるならば、ネット書店で買えばよいではないか、というご意見もあろう。ええ、わたしもそっちのほうが買いやすかろうと思います。


 でも、どうですか。ネット書店の倉庫の配送係の人が、この本を棚から取って荷造りをする。そのとき、配送係の人は“この本を買った人は、きっと気弱なんだろうなあ。交渉でビビってしまうんだろうなあ。ホホウ、○○に住んでいる”などと思うかもしれない。


 それでも買えますか、気弱な人!!