よい子はきちんとお返事しましょう、と、幼稚園で習った覚えがある。
よい子になるには、きちんとお返事しなければならないらしい。
よい子になろう。
飛行機に乗ったとき、キャビン・アテンダントのアナウンスに大声でお返事する、というのも素敵だが(ゴメン。これ、清志郎が昔、何かに書いていたネタです)、とりあえず飛行機に乗る予定がないので、実行できない。
ここに、広告なるものがある。人々にあの手この手で呼びかけている。
そのココロは「買ってくれ」、「支持してくれ」なのだが、人々のほうは、自分の興味を惹くもの以外には割と冷淡なようだ。無視されると、いささか気の毒である。
やっぱり、話しかけてくる人には、お返事しなきゃ。
広告にきちんとお返事したらどうなるだろう。今朝の新聞に載っていたものでやってみる。
「ワキガ・多汗症でもう悩まない!」
「それはよかったですね」
「政権交代目前! 官の暴走を止めて、この国を立て直す!」
「頑張ってください」
「ブルブル振動運動で簡単シェイプアップ!!」
「頑張ってください」
「すっきり、なおかつ、動きやすい」
「それはよかった」
「肩に、ヒミツ」
「うひょ!」
「月々、7,900円で乗っちゃおう!」
「乗っちゃおう! 乗っちゃおう!」
「ついに登場!! Go! Go! JALドイツ」
「Go! Go! JALドイツ」
「TVドラマ・小説等、なぜ結婚情報サービスを面白おかしく扱うのでしょうか」
「何ででしょうね」
きちんとお返事したのに、よい子どころか、すごく悪い子になった気がするのは、なぜだろうか。