大相撲でサッカー・チームを作るとどういうフォーメーションになるか、考えてみた。
チームは日本人力士チームと外国人力士チームに分ける。
まずは外国人力士チーム。こちらはオーソドックスな4-4-2のシステムで考えてみた(携帯でご覧の方は、文字列が崩れて何が何だかわからないだろう。申し訳ない)。
GK 白鵬
フォワード、キーパーは文句なしでこの組み合わせだ。
スピードとここ一番の集中力、勝負強さで並ぶ者のない朝青龍と、典型的なポストプレーヤー・タイプの把瑠都の2トップは、相手チームには脅威だろう。
不安があるとしたら、最近、朝青龍にかつての破壊力が見られず、場所によってムラがあること、それから、把瑠都の優しい性格から来る勝負弱さだが、それらを補ってあまりある天賦の才が、この2人にはある。
キーパー白鵬の、ここ1年の安定感には目を見張るものがある。まさに大黒柱と呼ぶにふさわしい。この頃は、チームリーダーとしての自覚も出てきたようだ。
攻撃的MFの安馬、鶴竜もいい組み合わせだ。ともに小兵だが、スピード、テクニックに優れる。安馬の運動量の豊富さと勝負根性、鶴竜の運動能力は高いポテンシャルを持っていると思う。両者のニ列目からの飛び出しにも期待したい。
攻撃陣の素晴らしさに対して、守備陣はやや不安を抱える。
露鵬は青天の霹靂のような例のトラブルによる出場停止、どころか、そのまま引退の可能性すら考えられる。
その場合には、春日王が代わりに入ることになるが、逆に安定感の点では露鵬より上かもしれない。
難しいのが曲者、時天空のポジションだ。トリッキーなプレイは魅力だが、ボランチとしてはどうなのか。面白いプレーヤーではあるのだが、どこで使うかが難しい。いっそ、サブにしてジョーカー的な使い方をするか……。
センターバックの琴欧洲は才能の点では申し分ない。ただ、しばしば指摘されるメンタル面の弱さが、折れない心を求められるディフェンダーとしてどうか、だ。しばしば見られる腰高なプレーも問題である。
しかし、朝赤龍、黒海、旭天鵬といったディフェンス陣の中では、やはり頭1つ、あるいは2つくらい抜けており、中心選手であることは間違いない。
琴欧洲には、“あいつがいたら抜けない”と相手チームに思わすくらいの奮起を期待したいものである。
対する日本人力士チームは、4-3-3のフォーメーションで考えてみた。
GK 琴光喜
フォワードは3トップというより、若手・稀勢の里のワントップ気味である。稀勢の里には、朝青龍を睨み返すほどの気持ちの強さと、恵まれた体格を活かして、ぜひゴール前で頑張ってもらいたい。
ちなみに、稀勢の里はいつもふて腐れた表情をしているが、元々、ああいう顔立ちなのだと思う。
このフォーメーションのポイントは、フォワードの両ウイングにある。
豊ノ島は身長169cmの小兵ながら、バツグンのテクニックが魅力だ。背の低さを逆手に取っての、低い体勢からの潜り込みは相手ディフェンス陣を混乱に陥れるだろう。
琴奨菊は、何とと言ってもドリブルだ。いい形でボールをもらえば、ゴールライン際まで一気にガブることができる。プレーとは関係ないが、勝った後の喜色満面のインタビューも、わたしは好きである。
両翼に飛び出した豊ノ島、琴奨菊からのクロスを、稀勢の里が相手ディフェンダーを吹っ飛ばしてヘディング――そんな夢のようなシーンが両国国技館で見られるかもしれない。
ミッドフィルダーは、実直なプレーが持ち味の豊真将と、曲者・安美錦を並べてみた。好青年・豊真将と、いつもヘラヘラ笑っている安美錦の対照の妙が見どころだ。
特に安美錦は、ヘラヘラ笑いながらもワンプレーで形勢を逆転できる可能性を秘めており、劣勢時の働きに期待したい。
その後方を締めるのが、ベテラン、栃乃洋である。ボランチというより、ディフェンス・ラインの前に位置するリベロ的役割を担う。
やや地味な存在だが、相撲をよく知っている。何と言っても、金星12個は偉大である。実はこのチームの軸かもしれない。
ディフェンス陣では左サイドバックの千代大海の、腕の細かな回転によるドリブル(?)、攻め上がりに期待である。
このところ、故障続きで思うような相撲を取れないようだが、まだまだ活躍できるとわたしは思っている。
魁皇、雅山のセンターバックは、ともにパワーは申し分ないのだが、脆さも見られる。大ベテラン・魁皇はスピード不足だし、雅山は瞬時の対応が苦手だ。
ともにツボにはまったときの強さには素晴らしいものがあるのだが……。
キーパーは琴光喜。技術的には素晴らしいものを持っているのだが、致命的ミスも目立つ。
特に、天敵・朝青龍が目の前に来たとき、どう対応するのか。いささか無責任な言い方ではあるが、そこもまた見どころのひとつであると思う。