北京オリンピックの開会式で、紙、活版印刷、羅針盤、それから花火の火薬と、中国の四大発明を繰り出してきたのには驚いた。
もし日本でやるとしたら何だろう。武士道、アニメ、カラオケだろうか。とてもかなわない。
正確には、アニメは日本の発明ではないが、日本製のアニメが世界のあちこちで人気だそうで、人に言わせると「日本が世界に誇る」ものなんだとか。
ヤだよ、ンなもの誇りたかないよ、と思う。単に、世の中のお子ちゃま化が、日本でいち早く進んだというだけのことではないか。
武士道、アニメ、カラオケで開会式をやるとどうなるだろう。
顔面の半分が瞳のサムライが出てきて、カラオケで一曲歌った後、「〜なんですウ」と可愛い子ぶって全員コケて、ポワポワポワ、ポワワワワ〜ン。
これでは5分で終わってしまう。
もっとも、昨日の開会式は長すぎた。
参加国が200を越え、入場行進が長くなるのは仕方がないとして、行進前のアトラクションが長すぎる。
世界の目が中国に集まる! というので、張り切りたくなるのもわからんではないが、満漢全席の後の炒飯のそのまた後に琲骨飯が出てきたが如くで、途中でゲンナリした。
ああいうのはお祭り気分を盛り上げるだけの演出をやればそれで用が済むのであって、せいぜい三十分もやれば充分だと思う。
これはオリンピックに限らず、ワールドカップも含め、最近の巨大スポーツイベントは、アトラクションの演出に凝りすぎて、逆にシラケてしまう。
何年か前に東京オリンピックの開会式をビデオで見る機会があったが、聖火点灯以外はほとんど演出らしい演出がなかった。
それでも、充分に式典としての高揚感はあったから、オリンピック、ワールドカップの開会式は無駄なことに随分と力を入れているように思う。勝負はさっさとつけたほうがよい。