ビニールシート

 東京あたりの公園の、飲めや唄えやの宴会はビニールシートを敷いてやるようである。
 青いテカったビニールシートを使う人達が多く、桜の美しさに全然合わない。まるで被災地の緊急避難場所である。


 毛氈は高くつくだろうし、ゴザだって今では随分高くなってしまったろうけれども、せめてあの目に痛い青色はやめられないものか。不粋も甚だしいと思う。
 同じビニールでも、ベージュか茶色なら、いくらかマシかだろうに。


 あのビニールシートはどこかから借りるのだろうか。


 公園で貸してくれるんなら、花見は毎年のことだし、公園側でもっと渋い色のシートを用意しておけばいいのに、と思う。


 自分達で用意するのなら、もうちょっと物を考えたらどうか、と思う。
 衣服やヘアスタイルにいくら気を配っても、あんなビニールシートを何も感じずに使うようでは、メタメタだろう。


 ハイ。今、しょせんお前もウヒヒヒヒ、という、人を引きずり下ろす暗いヨロコビを味わいました。


 桜の花の下で、青いビニールシートを平気で使うことが、現代的とか、合理性とか言うなら、現代も、合理も、くそくらえ、だ。


 桜よ。青いビニールシートを使う不粋な輩に、濡れた花びらをお見舞いしてやれ。頬に、額に、鼻の頭に、首の後ろに、襟の隙間を通って肩胛骨に、へちゃつかしたれ。

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「今日の嘘八百」


嘘七百一 エイプリルフールは欧米の習慣であり、閻魔様には通用しないので、要注意。