つと思い立って、有名な時代劇の真相、知られざる事柄について書いてみようと思う。もちろん、わたしの書くことだから、全編ウソである。読者諸兄は一行たりとも信用してはならない。
いずれも以前にこのページに書いたことのある話だが、お許しいただきたい。そうそう新しいアイデアなんぞ出てこないのよね。
ま、例によって、その場の勢いで、新しいウソも書くかもしれないが……。
・銭形平次
平次の投げ銭には強力な痺れ薬が塗ってある。そうでなければ、捕まると重刑必至の悪人が、投げ銭が刺さった程度で立ち止まるわけがない。
おそらく、町が寝静まった頃、平次は行灯のそばで銭ひとつひとつに丹念に痺れ薬を塗るのであろう。その顔には暗い笑みが浮かんでいたかもしれぬ。
・遠山の金さん
被害者の側、つまり、悪人に虐げられた善良な老人や真っ正直な若者、けなげな娘らは、お裁きが下り、悪人ばらが引っ立てられた後、奉行所の一隅に案内され、いきなりそこで斬り捨てられる。
遊び人の金さんが実は北町奉行・遠山金四郎景元である、という噂を広めないためである。遠山景元自身の指示によるものか、その意を体した部下の判断によるものかはわからぬが、ま、阿吽の呼吸、その場の空気というものであろう。
・桃太郎侍
日本テレビでは、続編として「金太郎侍」制作の構想があったが、「赤い腹掛け一枚で斧を担いで侍が江戸の町を歩き回るのは、いかがなものか」という理由で見送られた。
・水戸黄門
水戸黄門は、言うまでもなく、「権力に勝つには、より上の権力を頼るしかない」というシビアな現実認識の投影である。
より学問的な話をすると、水戸黄門は幕末〜明治の御一新の記憶を、物語の形で伝える寓話である。下のような置き換えが見られる。
つまり、水戸黄門とは錦の御旗をめぐる物語であり、水戸黄門が旅をするのは戊辰戦争の象徴である。
町娘の話に涙したり、悪人ばらにかかずりあったりしている間、政務はもちろん、放ったらかしである。
友達に御家人暇男というあまり物の役に立たない人物がいる。額には天下御免のかすり傷があるとか。
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「今日の嘘八百」
嘘六百五十四 なまはげには、たまに「本物」が混じっている。