成り代わる

 一昨日紹介した南米のカエル、ピパピパというのは実に面白い生態を持っているようだ。
 Wikipediaから引用する。


産卵前にはメスの背中の皮膚がスポンジのようにやわらかく肥厚する。オスとメスは水中で抱接しながら後方に何度も宙返りし、背泳ぎの状態になったときに産卵した卵をオスの腹部で受け止めて受精させ、回転が終了したときに受精卵をメスの背中の肥厚した皮膚組織に押し付け、埋めこんでしまう。卵は組織内でふ化し、幼生(オタマジャクシ)の時期もメスの背中の組織内ですごす。メスの背中から飛び出してくる頃には小さなカエルの姿になっている。


ピパピパ - Wikipedia


 産卵〜受精の際にオスとメスが抱き合う。宙返りしながらメスが生んだ卵を、オスが腹で受け止め、受精させる。最後に、オスが腹の上の卵をメスの背中に押しつけ、埋め込む。


 何ともアクロバチックで、これはもう、芸人(人じゃないけど)と呼んで構わないのではないか。
 こういう方々には、ぜひガンバって進化していただいて、知能を持ち、文明を築いていただきたい。どういう社会になるのだろう。


 しかし、どういう進化の道筋をたどると、こういう事態に至るのか。進化というのは何ともはや、不思議である。
 あるいは、インテリジェント・デザイン論が当たっているなら(「あれは、あたしがやりました」という人が出てこない限り、証明しようがなさそうけど)、何を狙ってこういうものを作ったのだろうか。ウケでも狙ったのか。


 孵化したピパピパのオタマジャクシはメスの背の中で育ち、最後にカエルとなって背中から飛び出してくる。


 一昨日も紹介した、ピパピパの子ども(といってももうカエルだけど)が背中から飛び出してくるムービー(初めての方はご注意。結構、グロいかも)。



 見ているだけで、痒くなってくる。


 おそらく、もし自分がピパピパだったら、とピパピパに成り代わってみて、自分の背中で子ガエルが蠢く様を想像し、痒く感じるのだろう。おれ、南米のピパピパ。しかも、メス。

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「今日の嘘八百」


嘘六百二十一 マルクスは、晩年、犬達に階級闘争を訴えては吠えられていたという。