日本人力士が不甲斐ないのか

 ところで、外国人力士の活躍を、日本人力士の不甲斐なさに結びつける人が時々、いる。


 しかし、わたしはしょうがないことだと思う。


 元々、相撲界には、貧しい家の体の大きな息子が、一旗揚げてやるべ、と入門することが多かったと聞いている。
 飯は腹いっぱい食えるし、強くなれば金も稼げる世界だ。


 しかし、今の日本で、息子が相撲部屋に入らなければどうにもならないほどの貧乏、という家は、昔に比べればはるかに少ないだろう。
 厳しい稽古と上下関係、まわし一丁、髷の世界は、日本の平均的な家庭の子供からすると、飛び込むにはあまりに遠い。


 外国人力士はそうではない。


 彼らの生家が貧しいのかどうかは知らないが、日本との経済格差は歴然としている。
 頑張って稼いで、故郷の通貨に変えれば、日本との貨幣価値の違いからして大変な富になるだろう。


 才能のある外国人がスカウトされてきて、その中から優秀な力士が出る、というのは当然のことのように思う。ムツカしい言い方をすると、グローバル化とやらの象徴だ。


 日本の経済がガタガタになり(バブル崩壊程度じゃなくて、もっと決定的に。GDPが世界50位になるくらいに)、それが十年以上続けば、たぶん、もっと日本人力士も活躍するようになるだろう。
 しかし、それでは本末転倒だ。少なくともわたしは相撲界の人間ではないから、相撲が弱くたって、経済が強いほうが何かと便利だ。


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「今日の嘘八百」


嘘二百一 ゴール前に曙を立たせておいて、その頭に、ひたすらピンポイントクロスを狙う、という作戦を、日本サッカー協会が検討している。