悲鳴と笑い

 わたしがよく書くネタに、「うれしい悲鳴をあげる」というのがある。


 思わぬ大ヒット商品が出たとき、テレビ・ニュースや新聞などが、


工場では生産が追いつかず、社員からうれしい悲鳴があがっています。


 などとやる、アレだ。
 工場で、社員達がキャーキャー悲鳴をあげながら、そこらじゅう走り回っているのだろうか。想像すると、おかしい。


 もちろん、あくまで誇張だということくらい、知っている。アタシだって、39年、生きてるんスから。


 なお、わたしはうれしい悲鳴をあげながら、この世に飛び出してきたそうである。
 見込み違いってヤツですね。


 似たタイプの誇張に、「笑いが止まらない」というのがある。


Aさんは受話器の臭い消しの事業でひと山あてた。お金がガッポガッポ入ってくるので、笑いが止まらない。


 なんていう、アレである(受話器の臭い消しで一山あてられるかどうかは知りません)。


 これは誇張だからいいのであって、本当に笑いが止まらないと大変である。


部下「静岡支店から、今月は12億円の利益があがったそうです!」
Aさん「ワハハハハハハハハハハハ」
部下「鳥取支店では、15億円の利益と報告が」
Aさん「ワハハハハハハハ。ワハ、ワハハハハハハハ」
部下「大阪支店では、320億円の利益です!」
Aさん「ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
部下「ジンバブエ支社では、750億円の利益が、しかも税引き後で!」
Aさん「ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。ワハ。ワハハ。ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
部下「モスクワ支社では、1兆2,800億円の利益が出ました! プーチン大統領が至急お会いしたいとのことです!」
Aさん「ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。ひい。ひい。ワハハハハハハハハハハハ。ワハハ。ワハハハ。ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。はあ、はあ。はあ。ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


 儲けすぎるのも考え物である。