応援の歌

 あの観客の歌やリズムは、選手達のプレーにどのくらい影響を与えるのだろうか。


 もちろん、応援やブーイングは選手の気持ちやモチベーションを高めたり、下げたりするだろう。


 わたしが興味があるのはそういうことではなくて、例えば、観客の歌のテンポが早くなれば、選手のプレーのテンポも無意識のうちに早くなるのか、それとも変わらないのか、というようなことだ。音楽のリズムに選手達が「乗る」ことはあるのだろうか。


 まあ、これはちょっとわからない。
 誰か、必要な方法論と道具を持っている人、分析してみてくれないか。大学の卒論のテーマにすると面白そうである。


 応援の歌が選手のムードを変えるのは、確かだろう。


 例えば、イングランド・サポーターが「God Saves the Queen」を歌うと、スタジアム全体が、静かなような、高揚するような、独特な雰囲気になる。


君が代」ではこうはいかない。いいメロディだとは思うが、試合の山場、ここが勝負どころ、というときに、


「♪苔の〜、む〜す〜ぅま〜あぁで〜」


 選手は釈然としない気持ちに陥るだろう。あるいは、反射的に直立不動で胸に手を当ててしまうかもしれない。


 鳴り物として、鼓(つづみ)を使うのもマズいだろう。


 カウンターで選手が素早くスペースへ抜け出た瞬間に、


「イヨ〜ぉ」、ポン。


 選手はズッコケるに違いない。


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「今日の嘘八百」


嘘百六十四 次回から公式球が鉄球になるそうだ。