社名

 自分で会社を作るとしたら、どんな名前がいいか、考えてみたい。


 といっても、実際に会社を作る予定もつもりも、今のところ、ない。
 わたしのような零細個人事業主だと、会社にするメリットがあまりないのだ。


 登記の手続きが面倒くさいうえに、税金もややこしくなる。
 大して経費のかからない仕事だから(何しろ、サラリーマンの控除より安いのだ。納得いかない気もするが、まあ、しょうがない)、個人で申告したほうがよほど楽だ。


 それはいいとして、社名だが、あれ、登記手続きをするときに審査がある。
 一定の地域内に同じ業種で同じような名前の会社がすでにあると、認可されないらしい。


 まあ、それはそうだろう。
 誰でも「トヨタ自動車」という会社を作れるようでは、ややこしくてしょうがない。


 では、名前のダブリはどの程度まで許されるのだろうか。


 例えば、


新日鐵株式会社


 という会社を起業できるのだろうか。
 業種は、文筆・広告制作・編集といったところで、たぶん、新日鐵とはダブらないと思う。


 名前のいわれだって、ちゃんとある。
「超スンゴく新しい日本のために、鐵のようにしっかりした文章を書きたいのです、売りたいのです」とかなんとか、テキトーな理由はこしらえられる。


 ま、しかし、ダメだろうな。


 デカく出るなら、「帝国」とか、「国際」とか、「日本」とか、「世界」とか、「明治」とか、その手の言葉をつける手もある。


帝国イナモト株式会社


株式会社大東亜ヨシノリ


 尻すぼみになってしまった。名は体を表すというのは本当らしい。


 かといって、


大日本インターナショナル・スーパー・ウルトラ・グレート・ヒュージ・ラージ・ビッグ・アルチメット・グローバル・ユニバーサル・コンチネンタル・オリエンタル・セブン・オーシャンズ・21st・センチュリー・スタジオ・ジャパン有限会社


 略して、DNISUGHLBUGUCOSO21CSJ(有)というのも、いろいろ支障があるだろう。寿限無じゃないんだから。


 まあ、何つーんですか。身の程? そういうのも大事だと思うんですよ。
 今のところ、予定もつもりもないが、いずれ、機会があったら、こんな会社を作るかもしれない。


株式会社耳かき


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「今日の嘘八百」


嘘百四十六 ベートーベンの「運命」の初演では、冒頭のダダダダーンで、観客が大爆笑したという。