野良島

 外来種が日本の生態系を破壊する危険性が叫ばれている。


 この「〜が叫ばれている」という言い回しを見ると、クールで非情なこのオレが、つい笑ってしまう。どこかに、「外来種が日本の生態系を破壊する危険性だァ〜!」と、わめいているやつがいるのだろうか。


 同じようについ笑ってしまう言い回しに、「あまりの人気に生産が追いつかず、○○社ではうれしい悲鳴があがっている」というのがある。



ムンクの生産が追いつかないうれしい叫び


 いきなり横道にそれてしまった。セ・ラ・ヴィである。


 で、外来種というやつだが、珍しいペットを飼いきれなくなって捨ててしまう、というケースが多いらしい。


 例えば、「あらいぐまラスカル」というアニメを見て、「かわいい。かわいい」と本物のアライグマを飼う。
 ところが、これが凶暴だわ、餌はバカスカ食うわ、決してなつかないわ、ケースの中で暴れるわ、どんどん子供を産むわ、で、「こんなのラスカルじゃない!」(当たり前である)と放ってしまう。


 割と最近だが、川の土手でニシキヘビが見つかって騒動になったこともあったし(ぐえええ)、外来種ではないが、平地でオオサンショウウオが見つかったこともあった。


 これら、ペットから野良になった動物達が捕獲されてからどうなるかというと、よく知らんが、たぶん、引き取り手がなければ、殺処理になるのだと思う。


「かわいそうだから、やめろォ〜」などと言うつもりはない。なぜなら、クールで非情なこのオレだからだ。


「動物の生きる権利」ということを説く人がいる。
 おそらく、それは(家畜は別として)生存競争による死と裏表のものだと思う。無条件に「寿命まで生きてなさい」というわけではなく、食ったり食われたり餓死したり、「勝手に死ぬまで生きていなさい」ということだろう。


 ここで提案なのだが、どこか一島にそれらの外来生物を送り込むことにしたら、どうなるだろう。


 人が住んでいては厄介だから、無人島がいい。


 が、このセコい国に、ある程度、生存条件が整っていながら、人が住まわぬ島があるわけもない。
 そうすると、人工的に作るしかないが、まあ、土木工事に長けた国だ。何とかなるだろう。


 で、そこに猿だの、野良犬だの、アライグマだの、ニシキヘビだの、ブラックバスだの、アカミミガメだの、アフリカツメガエルだの、ヒョウモントカゲモドキだのを放り込んでしまう。


 島の名は「野良島」。なぜか吾妻ひでおや小野田サンがまぎれこんだりするかもしれないが、それもまた一興。


 で、100年くらい、放っておく。その間、外来種の生物のミナサンは入り乱れて、食うか食われるかを続けている。セ・ラ・ヴィである。


 100年経ったら、決死隊が様子を見にいく。


 いったい、何が残っているだろうか。奇怪な生物でも発生していそうで楽しみである。


▲一番上の日記へ