皇室スマイル

 皇室スマイルというのがあって、これはおそらく、ある種のテクニックだろうと思う。


 実際に皇太子に接した人の話だと、皇太子は、一対一で向かい合ったときは別として、人からやや離れているときは、どこも見ていないような、全てを見ているような、不思議な視線をしているのだそうだ。
 テレビ映像からも、何となく、それはわかる。


 ただし、例外もあって、数年前の雅子妃と宮内庁をめぐる記者会見のときは、目に意志が表れていたと思う。


 皇室スマイルは、皇族の遺伝的な理由や(顔が似るという意味で)、子供の頃から目にするものが理由でできあがるものでもないようだ。
 大人になってから皇室に入った雅子妃や紀子妃も、すぐに皇室スマイルをするようになった。


 昨日の清子さんの結婚式をニュースで見ていて(一升瓶を横に置き、「うおおおおお。サーヤ、よかったなあ、よかったなあ!」と泣き笑いしながら見ておりました)、実に見事な皇室スマイルだと思った。


 たぶん、皇室には立ち居振る舞いについての指南役のような人がいるのだろう――とずっと思っていたのだが、夫の黒田さんも終始、皇室スマイルをしていた。いつ、どういうふうに身につけたのか、不思議ではある。指南役が出張したのかな。


 わたしも今日一日、皇室スマイルで通してみようかと思う。


 しかし、「眠いの?」とか、「やる気あんの?」とか言われそうでもある。
 やはり、下賤な者は下賤にゲラゲラ笑っているのがいいのかもしれない。


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