ブログの数が増えてきて、おそらく、ニッポン全国でさまざまな人が「もう11月かあ」というようなことを書くのだろう。
読むほうも、月が変わるたびに、あちこちで「もう3月かあ」、「もう6月かあ」、「もう10月かあ」と目にするものだから、さほどの効き目はない。
「この人は11月になってしまったと感慨にふけっておるのだな」と一瞬思って、それで終わりである。
ネットの中に大量に発生する、「もう11月かあ」。
実に無駄なことである。
しかし、そんなことを言い出すと、この日記自体が無駄のかたまりである。
というか、わたし自身が、無駄の国から無駄を広めに来たようなものなので、まあ、その、なんだ。人生には無駄という名のオイルが必要なのである。
と、とっさに格言めいたものを放って、この場をやり過ごしてしまう。幼い頃に伊賀の里で身につけた、忍術のひとつである。
「もう○○かあ」と感慨にふける人がいる一方で、「まだ○○かあ」とため息をつく人もいる。
たいがい、「もう11月かあ」に比べて、スパンが短い。
「まだ火曜日かあ」、「まだ11時かあ」と、曜日・時刻でため息をつく。仕事や学校に飽き飽きしている人であろう。
時刻のほうは何ともならないが(あきらめて、うんざりしていなさい)、曜日についてなら、わたしは革命的なアイデアを持っている。
あのカレンダーの作り方がいかんのではないか、と思うのだ。
カレンダーは、たいてい、右端が土日、あるいは左端が日曜で右端が土曜になっている。平日がずらっと5日間並ぶ。
土日は色づけや、太字になっていて、平日はサラだ。
あの、サラになっている5日間を見るから、人は「まだ○○かあ」と、うんざりするのだ。5日間の長さに耐え難い思いをするのである。
土日はカレンダーの真ん中に持ってくるといい。そうして、水曜が週末ということにしてしまう。
真ん中に、どーんとある土日。見ているだけでウキウキしてくるではないか。
いや、それだけではない。
右端にある水曜まで来たら、「もう平日の半分を過ぎた!」、あるいは「週末まで来たぞ!」とポジティブに構えられる。
木曜・金曜は「あと、2日(1日)の辛抱だ」と自分に言い聞かせる。
月曜・火曜だって、「あとちょっとで平日も半分終わる!」と考えれば、少しはしのぎやすくなる。
しかし、まあ、そうまでして平日を堪え忍ばなければいけない人は、その仕事が向いていないようにも思う。転職を考えたほうがいいのかもしれない。
学童の諸君は、しょうがないので堪え忍びなさい。うひひひひ。ま、いつか出られるよ。