スパム

 毎日、スパムメールがやって来る。


 昨日は、明らかになりすましメールとわかるメールアドレスで、こんな件名のスパムメールが来た。


「アフターサポートも万全!安心の無料紹介!」


 なりすましメールで「安心の無料紹介!」と訴えても、説得力がまるでない。


 ここからはややマニアックな話だ。
 カルト度2。比較的メジャーな、マイナーな話題である。イナモト規格では、ドナルド・ダック・ダン*1と同じくらいのカルト度だ。


 研究社のリーダーズ英和辞典で「spam」を引くと、こう書いてあった。


spam vi, vt《電算》(<掲示を>)貼りまくる,...に送りまくる《同様ないし全く同じ掲示を,何度も出したり,無差別にあちこちニュースグループに出したりする》. spammer n
Spamを連呼するMonty Pythonの歌詞からか?]


 辞書というのは、あまり書いた人の興味や趣味が出ない、もしくは出さないようにするものだと思う。
 しかし、わたしは最後の[Spamを連呼するMonty Pythonの歌詞からか?]に、この項目を記した人の、確かな息吹きというものを感じたのである。


 わからん人には、何言ってんだか、さっぱりわからんだろうな。


 頭を大文字で記す「Spam」というのは食品である。同じ英和辞典から「Spam」の項を転載する。


Spam《商標》スパム《豚肉のランチョンミートのかんづめ》.[spiced ham


 先の「Spamを連呼するMonty Pythonの歌詞」というのは、英国のギャグ集団、モンティ・パイソンのネタだ。


 スパムの缶詰には、バイキングの絵が書いてある(らしい。よくは知らぬ)。
 で、ある軽食堂でメニューを選ぼうとすると、その軽食堂にはスパムの入っている料理しかない。
 仕方なくどれかを注文すると、なぜか軽食堂にたむろしているバイキング達が、「♪スパム、スパム、スパム、スパム、スパム、スパ〜ム!」と歌い始めるというものだ。


 文字で書いても、面白くもなんともないな。


 で、まあ、そのうるささ、しつこさがスパムメールの語源ではないか、という説を、この英和辞典では唱えているわけだ。


 わたしも、以前からそうではないか、と睨んでいた。辞書のわずかな文字数を通じて、これを書いた見知らぬ人と心が通じたような気がする。うれしい。


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


“よしどうであろうと人生はよいものだ ゲーテ


 ♪スパム、スパム、スパム、スパム、スパム、スパ〜ム!


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*1:メンフィスのベーシスト。オーティス・レディングのバックやブッカーT&MG's、ブルース・ブラザース・バンドで活躍。クレージー・キャッツにおける谷啓と似たポジションにある。