スポーツと戦争

「スポーツは戦争の代償行為だ」という意見がある。


 なるほど、クラブ・サッカーや代表の試合で、時にサポーター同士が激しい喧嘩になるのは、都市間、あるいは国家間の戦争の代わりだから、と考えると、理解しやすい。
 日韓戦が他の代表の試合とは違ったムードになるのも、お互い、表面では取り繕っていても、隠微な形でわだかまりがあり、それが吹き出るからだろう。


 野茂だったか、イチローだったか忘れたが、野球って面白い、大昔の戦争と一緒で石(ボール)と木の棒で戦うんだから、というようなことを言っていた。
 これまた、なるほど、である。


 しかし、それにしては、ビーンボールを投げられたとき、バッターはバットを放り出してピッチャーに詰め寄っていく。


 あれ、バットを振り上げて「てめえ、このやろー!」と突っかかっていったほうが脅しになるし、破壊力もバツグンだと思うのだが。
 そうして、両軍のベンチから、全員バットを持って、わーっと飛び出していくのだ。
 ブルペンの連中は、相手チームに向かって、ビュンビュン、ボールを投げつける。
 なぜだか、用具係のオッサンもコーフンしてしまい、ピッチングマシーンをグラウンドに持ち出して、「食らえー!」と、球速150km/hの設定で投げる、投げる。


 見たい。見たい。
 見たいけど、両チームとも致命的打撃を受けるだろうなあ。


 ビーンボール食らったバッターは、コーフンしていても、どこか理性というか、「それをやっちゃあ、おしめえよ」という安全弁が働くのかもしれない。


 ところで、「スポーツは戦争の代償行為だ」というなら、新体操はどう考えればいいのだろう?
 エアロビクスは?


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