仰げば尊し

 今、卒業式で「仰げば尊し」を歌う学校って、どのくらいあるのだろうか。


 わたしは歌った記憶がない。しかし、一題目の歌詞は覚えている(二題目があるのかどうかは知らない)。特に習った記憶もなく、好んで聞いたわけでもなく、テレビででも聞いて覚えたのだろうか。


 映画「二十四の瞳」では、小学校の卒業式で生徒達が「仰げば尊し」を泣きながら歌う。
 戦前は「仰げば尊し」を歌うのが普通だったのかもしれない。知らんけど。


 しかし、あれ、卒業式で歌うっていうのは、どういうものなのかね?


 卒業式は、教職員がだんどりを取り仕切る。
 これこれ、こういう式次第で、何時に集合、前へ習え、開会の辞、校歌、校長先生の挨拶……などと決めていく。あるいは、あらかじめ決まっている。


 で、だ。
 教職員自らが生徒達に「仰げば尊し」を歌わせる、というのはどうなのであろう。
 強制的に自分達を仰がせて、尊ばせるのだ。
 教職員からすれば、いわば「仰げば尊し、私の恩」ってもんだ。


 傲慢である。
 恥ずかしくないのだろうか?


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