最近は日本もオリンピックで結構メダルを獲るようになったが、80年代から90年代にかけて、今イチ、パッとしない時期があった。
その頃、友達と「ここはひとつ、日本人が勝てる新競技を導入するしかない」という話になった。
何がいいか考え、知恵を絞った結果、
・ワカサギ釣り
という案が出た。
地味だ。
実況中継はどうなるのだろう。
アナウンサー「日本の山田選手、待っております。じっと待っております。座っております。集中して、待っております。座っております。まだ反応は見られません。座っております。座っております」
解説者「とにかく、ここは我慢ですよ」
アナウンサー「待っております。待っております。座っております。待っております。待っております」
アナウンサーは担当になるのを非常に嫌がるだろう。
耐久、ということも、人間の肉体的・精神的能力のひとつと考えるならば、いろんな競技が考えられると思うのだ。
例えば、
・正座
というのはどうだろう。どれだけ座っていられるかを競うのだ。
日本選手にはかなり有利なはずだ。二丁目の山本のお婆ちゃんなんかが金メダルを獲ってしまう可能性も高い。
確か、タイにも独特の正座があって、日本人には長時間続けるのが大変苦しい、と聞いたことがある。
レスリングにグレコ・ローマンとフリースタイルがあるように、正座にも日本式とタイ式の二種目を設けるといいかもしれない。
似た競技に
・座禅
というのもある。日本、中国(特にチベット自治区)、インド、ネパールあたりが強豪国となりそうだ。
・滝
・火渡り
ここらになってくると、もう競技というより、ずばり、修行である。
「高校時代、部活、何やってたの?」
「火渡り」
こんな会話は、どうも嫌だ。
時間の長さを競うということであれば、
・ただ立っている
・逆立ち
なんていうのも出てくるけれども、だんだん、オリンピックというより、ギネスに挑戦になってきた。
いっそ、こんな競技はどうだろう。命の保障はできないが。
あるいは、人間と心臓の限界に挑む、という点では、
・脈拍
・高血圧
というのもいい。
「こちらは高血圧日本代表の田中選手です。田中選手、オリンピックに向けて抱負を一言」
「僕の人生の全てを賭けて挑みます」