男ばかり、女ばかり

 知人の女性が、以前、女性誌の編集部に勤めていた。
 そこの編集長(♀)がフェミニズムの闘士で、編集部に男性が訪ねてくると、いきなり高い位置から、「あなた、敵ですか、味方ですか?!」と訊くのだそうだ。


 面白い人だとは思うが、こういう人はちょっと離れた場所から観察していたい。


 わたしは男なので、「男性中心社会で文句あるか!」と言いたいのであるが、「いろいろある!」と言い返されたら、「そうでしょうね」と答えるだろう。


 山下洋輔によればフェミニズムの問題は根が深く、これを解決するには男が全員性転換すればいいのだそうだ。なるほど、その通りである。


 なんでこんなことを書いているかというと、毎日、やって来るスパム・メールのせいだ。


「邪魔くさ」と思いながら、速攻で削除するのだが、商品販売や投資勧誘を別にすると(英語のスパム・メールはそれらがほとんどだ。日本語のスパム・メールとはかなり違いがある)、女性が男性を求める、という形をとっているものが圧倒的に多い。お金出すからお願いします、というものもかなりある。


 なぜに、男性から女性を求める、というものがないか、男女比を考えると不思議ではある。が、これは雄の蝉が喚き散らすのでは当たり前だからかもしれない。
 男が女にお願いするのでは、「うまい話」に見えないのだろう。
 お金を出しますから、とすると、昔ながらの買春になってしまうし、そういう需要に応える店も人も、世の中にたくさんある。


 スパム・メールだけで、男性中心社会について語るのにも無理があるな。
 下手につつくとやぶ蛇になりそうだ。「あなたは敵ですね、敵ですね、人権侵害してますね、してますね、文句言えませんね、そうですね、そうですね」とやられるのは、かなわない。


 なんか、話は意外と単純で、凸と凹という形の問題が大きい気がしてきたな。スパム・メールの「うまい話」はその裏返し。トートツですが。


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