校歌があるのは日本の学校ばかりではない。
Googleで「school song」と検索したら、St. Charles North High Schoolというところの校歌のページがトップに来た。
米イリノイ州の高校らしい。
・St. Charles North High School - School Song
一読して、(日本の校歌の感覚からすると)その戦闘的な姿勢に驚かされる。
私のつたない英語力では誤訳もあるかもしれないが、「Fighting, winning, seizing, every sigle day(一日、一日、戦い、勝利し、つかみとる)」、「The victory is for the stars(〈学校のシンボルである〉星々のために勝利はある)」、「We know we'll always have the victory!(我々は常に勝利するのだ!)」。
調べたわけではないが、日本の校歌に、ここまであからさまに勝つことを謳い上げるものはないんじゃないか。せいぜい、慶應が、陸の王者だ、とイバっているぐらいだと思う。
二番目に来た校歌はこれ。
・Harrow School - The School Song
素早く調べたところでは、Harrow Schoolは1571年に設立されたロンドンのパブリックスクールで、チャーチルの母校だそうだ。そういえば、ハロー校という名前は聞いたことがある。
チャーチルがラテン語でひどい点数を取ったのはこの学校だろうか。自伝には確か、「ラテン語は死んだ言語だ」という負け惜しみが書いてあったと思う。
下のほうにある歌詞を訳してみる。
40年が過ぎ、今日ともに歌っている人々と離ればなれになったとき
思い返して、学びとplayの中でどんなふうだったと・・・
スミマセン。私の手には負えませんでした。3行目の「forgetfully wonder」というのがよくわからない。
その後も、大量に辞書を引かねばならないようで、諦めた。
ともあれ、St. Charles North High School の「Fighting, winning, seizing, every sigle day(一日、一日、戦い、勝利し、つかみとる)」とは全然違った方向の歌詞であることはわかる(というか、その程度のことしかわからなかった)。
上記、ふたつの学校のページには、校歌のMP3のファイルもある。
聞いてみると、St. Charles North High Schoolは応援歌風だ。もしかしたら、アメフトや野球やバスケットボールの試合で歌うのが目的の歌なのかもしれない。だとしたら、「Fighting, winning, seizing, every sigle day(一日、一日、戦い、勝利し、つかみとる)」という歌詞も、まあ、わかる(いや、どうだか知らんけど)。
私としては、ハロー校の、生徒達が歌いにくそうにしている感じのほうが気に入った。メロディを覚えるのも、結構、時間がかかりそうだ。
それに、歌が長い。計ってみると、6分10秒もある。歌声からは、何やら、迷惑そうな空気すら感じられる。最後のほうはヤケクソにも聞こえる。
Googleで「school song」と検索して、なぜ米イリノイ州のSt. Charles North High Schoolがトップに来るのかはよくわからない。かのチャーチルの母校である、400年以上の伝統を持つパブリックスクールを差し置いて。
「St. Charles North High School」というフレーズで検索すると、2,240件しか引っかからないのに(おそらく、この数字はこの高校がそれほどはメジャーな高校でないことを示しているだろう。ちなみに「Harrow School」では35,200件、日本語の「ハロー校」でも12,600件引っかかる)。
この校歌、アメリカで大ブレイク中なのだろうか?
そうして、日本の神奈川県で部屋の座卓に座りながら、米イリノイ州のSt. Charles North High Schoolの校歌を訳している男がいる、というのもまた、よくわからない状況だ。