ラスト・ワルツ

 ザ・バンドの最後のコンサートを記録した映画「ラスト・ワルツ」(監督はマーティン・スコセッシ)を見た。
 DVDを持っていて、時々、見る。


 ザ・バンドは1960年代から1970年代半ばまで活躍したロックバンドで、ブルース、カントリー、R&Bといったアメリカの音楽の影響を強く受けている(メンバーのほとんどはカナダ人だが)。
 あまりポップではないけれども、地に足の着いた音楽で、聴くほどに味わいが出てくる。


 映画では、演奏とメンバーへのインタビューが交互に出てくる。初めのほうでギタリストのロビー・ロバートソンの言う台詞がカッコいい。


あの時はどこへ行くのかも知らなかった。でも、まあいいやって出掛けたわけだ。
テキサスの酒場だ。ボロボロで屋根もありゃしない。
着いて準備。
バカでかい場所だ。広大なダンス・フロア。古くてな。
とにかく、最初の晩の演奏を始めようとしたら、そのバカでかい場所にお客は3人ほどだ。
腕の不自由なダンサーに、酔っぱらいのボーイが2人。


 字幕に、読みやすいよう、適当に句読点を入れた。
 このまま、小説の出だしになりそうだ。


 こうして、ザ・バンドの16年に渡る旅(比喩でなく、文字通りに)が始まり、その終点になったのが「ラスト・ワルツ」だ。