コンクラーベ

 カトリック信者でなくとも、ローマ法王が決まって、ホッとしている人は多いんじゃないか。コンクラーベが終わって。


 コンクラーベというのは、80歳未満の枢機卿による、新しいローマ法王を決めるための会議。候補者の誰かが3分の2の票を得るまで、投票を続けるのだそうだ。
 1922年には、5日間に渡って、投票を繰り返したこともあったという。


 昨日、NHKのニュースを見ていたら、郵政民営化自民党内がゴタついているという話で、どの政治家だったか忘れたが、「コンクラーベ(根比べ)とかいうのがあるらしいし(笑)」と言っていた。
「あー、言っちゃったよ」と思った。そのうち誰かが言うに違いない、と、私の霊感が告げていたのだ。


 マスコミは、政治家の失言は叩くくせに、こういうつまらない冗談をなぜキューダンしないのだろうか。


自民党の○○氏、『コンクラーベ(根比べ)』と駄洒落」
 テレビはトップニュースに、新聞は一面大見出しにして、こういうレベルの低い政治家の恥を、満天下にさらしてもらいたい。


 私は、政治家のぬるーい冗談が大嫌いだ。それを看過して、お追従のような緩い笑顔を浮かべている記者クラブの面々が、また許せない。


 政治記者のミナサンよ、「○○さん、今の、非常につまらないです」と真顔で言ってやれ。
 曖昧な笑顔なんぞ浮かべているから、いつまでたっても、日本の政治家の冗談のセンスが磨かれないのだ。冗談ではない。マジでそう思っている。


 政治家のミナサンには、かつて、被爆の後遺症で苦しむ広島の人々を前にして、「病は気からと申します」と言ってのけた、中曽根康弘元首相のスルドいブラックジョークのセンスを勉強してもらいたい。


 いや、皮肉ではないよ。私は昭和史最高のブラックジョークだと思っている。
 何たって、唯一の被爆国の首相が、歴史と原爆を背負って放った一撃だ。凄みが違う。


 しかし、まあ、「コンクラーベ」と「根比べ」を引っかけてオヤジギャグを飛ばしたのは、おそらく、この政治家だけではあるまい。
 全国の職場、家庭で、かなりの数の人々が被害に遭ったと想像する。


 ローマ法王が決まって、とりあえず事態は沈静化へと向かうだろう。


 あー、くだらない。


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