竹島に端を発して罵倒する人々

 竹島をめぐる歴史的問題や政治的問題については、語るに必要な知識もなければ、さほどの興味もない。


 しかし、この問題に端を発して、お互い、相手側の集団を“アイツラ”調で、大ざっぱに罵倒しあう人々の姿を見ると、谷岡ヤスジの牛と化して、「あのなあ」と思う。


 いろんな個人の集まりを、なんでそう安易に、十把一絡げに語るのだろう。


 山下洋輔が1980年に当時の東ドイツに行ったときのことを、こんなふうに書いている(「ピアニストを二度笑え!」、新潮文庫所収)。


国境での東側国の係官というのは、どれもこれも実にまあキビシイというかキチガイのような人達が多く、いつも通るたびにもう二度と来るものかと思う。しかし、入ってみると中の人々は皆普通の人間であり、中には友達になってしまう程いい奴もいる。当り前だが、東側といわずどの国にもちゃんと気の合う人間は住んでいるし、同時に、絶対に話もしたくない、出来ることなら会った途端にパイルドライバーとアイアンクローを両方一度にかけてやりたい、という種類の人間もいる。


 まったく、その通りだと思う。


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