ニューヨークへ行く

 映画では、人気者になると、やたらとニューヨークへ行くようだ。


星の王子ニューヨークへ行く」、「踊るマハラジャ★NYへ行く」、「ジェイソンNYへ行く」、「ベイブ都会へ行く」(確か、舞台はニューヨークだったと思う)、「ターザン紐育へ行く」


 クロコダイル・ダンディもオーストラリアのオッサンがニューヨークへ行く話だったと記憶しているし、キングコングもニューヨークへ行った。そういえば、ゴジラも行ったなあ、ハリウッド版で。


 とにかく、猫も杓子もニューヨークへ行くのである。いや、猫はともかく、杓子は行かないか。


 「○○ロサンゼルスへ行く」、「○○デンバーへ行く」というタイトルがない(少なくとも私は思い出せない)ところからすると、やはりニューヨークというのはアメリカ人にとっても特別な印象を抱く場所なのだろう。


 「カール・マルクス、ニューヨークへ行く」なんていう映画をつくると、ストーリーはどうなるのだろうか。
 資本主義に怒りまくってウォール街で政治的闘争を始めちゃうのか(ニューヨーカーはあまり乗りそうにないけど)、タイムズスクウェアの夜景にうっかり浮かれ踊っちゃうのか。
 どちらにしろ、「カール・マルクス、ニューヨークへ行く」というタイトルはなぜかコメディを思わせる。マルクス兄弟のせいもあるのかな。


 どういうわけか、人気者が行くのはニューヨークでなければいけない。


「星の王子さいたまへ行く」、「踊るマハラジャ大牟田へ行く」、「ジェイソン網走へ行く」、「ベイブ山陰へ行く」、「ターザン熱海へ湯治に行く」


 どれもヒットは望めそうにない。「ジェイソン恐山へ行く」は、結構、いけるかな。


「星の王子カムチャッカへ行く」、「踊るマハラジャパキスタンへ行く」(政治的にまずいか)、「ジェイソン平壌へ行く」、「ベイブ、ブータンへ行く」、「ターザン、アイスランドへ行く」(寒そうだ)


 どうもうまくない。


 ニューヨークというのは、どうも魔力がある街のようだ。行ったことがないので、その正体は私にはわからないが。


 「水戸黄門NYへ行く」。不逞の輩に取り巻かれて印籠を取り出しても、効果ないだろうなあ。


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