妖怪

 妖怪にもいろいろいるが、メジャーどころは、一つ目小僧、ろくろっ首、のっぺらぼう、唐傘おばけ、と言ったところだろう。


 ハタと気づいたのだが、こやつら、確かに面妖だが、これといって攻撃手段を持っていないんじゃないか。
 相変わらず、どうでもいいことにハタと気づくものだが。


 夜道で一つ目小僧に出会う。そりゃ、びっくりする。部屋に入ったら、ろくろっ首が行燈の油をなめていた。うわっ、と悲鳴をあげる。振り向いた人がのっぺらぼうだった。ぎえええ、と声をあげる。唐傘おばけがぴょんぴょん跳ねてきた。雨の日のスーパーの入り口だったので、半透明の傘袋に入れてやった。そんなことはないか。


 こやつらには、心理的ダメージを与える以外、何があるというのだろう。
 ろくろっ首は長い首で、人の首を絞められそうだ。しかし、そういう話を聞いたことはない(いや、私が知らないだけかもしれないが)。


 幽霊は違う。人を呪い殺すことができる(はず)。しかし、上に書いた妖怪どもは為すすべもない。無能、といってもよい。


 話はそれるが、幽霊に呪い殺された人は浮かばれるのだろうか。どうも、あまりいい死に方ではないから、なかなかあの世へ行けない気がする。
 その場合、その人も幽霊になって、呪い殺した幽霊に化けて出るのか。
 あの世で、丸山応挙あたりに聞いてみたい。


 さらに話はそれるが、今、行燈を使っている人なぞ、まずいない。ろくろっ首はどうやって食っているのだろう。夜中にガソリンスタンドにでも忍び込んでいるのか。
 一つ目小僧は修行すると一つ目和尚になれるのか。ずっと上の方には一つ目僧正とか、そういう徳のある妖怪がいるんだろうか。


 江戸時代はもちろん、明治も遠くなりにけり。洋装のろくろっ首とか、唐傘お化けワンタッチ式、なんていうのも面白いな。


 相変わらずメチャクチャに拡散して、まとめも何もないままに、終わります。エントロピーの法則というやつであります。


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