引っ越ししてしばらく経つと、生活に型のようなものができてくる。
何時に起きて、まず何をして、という時間的なこともある。が、これは住居とは必ずしも関係がない。
面白いのは、空間と行動に関する型である。
なんだか、建築雑誌みたいな書き方だな。そんな大仰なことではなくて、引き戸はどちら側を開けるかとか、昼間、窓のない部屋の照明はどうしておくかとか、寝る前に読む本はどこに置いておくかとか、パンツはどこで履き替えるかとか、そういうことである。
合理的な理由があって決まることもあれば、なんとなくそういうふうになっていくこともある。どちらかというと、なんとなくそういうふうになっていくことの方が多いんじゃないか。
ここでいきなり話が急拡大するが、世にある様式というものにも、その両方があると思う。
たとえば、ご飯と味噌汁を、どっちを左に、どっちを右にするか。なぜ女性の和服は右前で洋服は左前なのか。
これらは合理的な理由があるのかもしれないし、なんとなくそういうふうになっていったのかもしれない。
文字の書き方は、ヨーロッパでは左から右に横書き、アラビアでは右から左に横書きである。
日本では昔、右から左に書いた。今でも、老舗の店では看板を右から左に書いてあるところがある。
あれ、横書きだとずっと思っていたのだが、実は縦書きなのだそうだ。
つまり、一行に一文字ずつ縦書きすると、見た目には右から左に横書きしたように見える。
わっはっは。知識自慢をしてしまった。スンマセン。
では、なぜ右から左に縦書きするようになったのかというと、私は知らない。
肘をつけて書いていくと墨で裾が汚れるから合理的な書き方ではないと思うのだが、昔は肘をあげて書いたから、関係なかったのだろう。肘をつけて書くなどというのは行儀の悪いことだったのだと思う。
えーと、何について書いているのだか、わからなくなってしまった。出たとこ勝負で書くと、こういうふうにとっちらかる。
まあ、頭の中がとっちらかっているのだ。仕方がない。
歩くカオス。そのうち、膨張して宇宙になるかもしれないので、気をつけてください。