昨日の台風はなかなかパワフルだった。
夕方、買い物に行くと、傘ではとてもカバーできず、ジーンズの膝から下がぐしょぬれになった。随分重かった。服を着たまま、海に入ると危ないというのは本当だろう。
おまけに、靴と足のわずかな隙間から雨が入り込んだ。間違って、金魚鉢を履いてきたかと思った。
あの、靴の中がグジュグジュする感覚は、嫌なものである。どうせ濡れるなら、裸足にサンダルで出かけた方が、いっそ、さっぱりしてよかった。
夜、ちょうど台風が通り過ぎる頃だろうか、酒を買いに出かけた。
そんなときに出かけるやつもどうかしているが、酒のためなら、命はいらぬ。もう、酔っぱらった決死隊みたいな了見である。
酒屋は遠いので、コンビニで済ませた。
レジで金を払おうとすると、バリン、と大きな音がした。振り向くと、入り口のガラスが粉々に砕けて、その前で客が呆気にとられている。
「何が飛んできたの?」
「わからない」
と、店員が話していたが、ガラスは上下ともに完全に割れていた。何かがぶつかったわけではないだろう。
小学生のときに、大風が吹くなか、学校で先生がベランダへのガラス戸を開けたら、見事に砕け散ったことがある。
気圧の違いのせいか、風が変なふうに巻き込むせいか、どちらかだろう。
もっとも、本当は両方とも、私が念力で砕いたのだが。