プレーオフ

 近頃、野球に興味がなくなった、としばしば書きながらも、いくらかの関心は残っていて、昨日、ライオンズ×ファイターズの最終戦を見た。
 プレーオフというのはどういうものか見てみたいという興味もあった。


 得点のほとんどがホームランによるもので、レギュラーシーズンなら大味な試合に感じたかもしれない。しかし、選手達の負ければ終わりという緊張感と、勝ちたいという集中力が伝わってきて、いい試合だった。


 9回表、ファイターズの木元が、ライオンズの守護神豊田から放った同点ホームランには、感動した。
 打球を目で追う豊田が「のわうひゃおわわわわあ!」と叫んでいるかのようで、あれほど「やっちまった」感満開の表情は、めったに見られない。


 プレーオフ制は、導入が決まったときには、「何じゃ、そりゃ? レギュラーシーズン1位でも、優勝できないのは変でないかい?」という反対意見の方が多かったと思う。
 しかし、昨日の試合を見た限りだが、プレーオフの試合は面白いものになりやすいようだ。


 サッカーのワールドカップもそうだけれど、明日がないかもしれないという、ぎりぎり、崖っぷちの緊張感は試合を面白くする。


 などと、書いておきながら、矛盾するのだけれども、やはり野球の試合は長すぎる。
 昨日の試合は緊張感が続いたので長く感じなかったが、ああいう試合、そうはないだろう。レギュラーシーズンの試合は、たいがい途中で飽きてくる。


 6回か、せいぜい7回くらいまでにすればいいんじゃないか、と思うのだが、野球ファンというのは保守的だから、そんな改革はまずできないだろうなあ。


 これについては、阿久悠がどこかに、「野球は歌舞伎などと一緒で、ゆったり見るものだから、スピードアップなどしないで、むしろ、間や無駄な時間を楽しめる工夫をすべきだ」というようなことを書いていた(表現は違っていたかもしれない)。


 なるほど、いいことを言うなあ、とそのときは思ったが、うまくやらないと大相撲化してしまい、ジジババ向けのものになってしまう危険もあるかもしれない。


 あと、あのウグイス嬢のエレベーターガール的アナウンスはシラケるのでやめてほしい。外野の下手くそなラッパの応援団も。


 間を楽しめるようにというんなら、いっそ、ラッパの応援はやめて、三味線で清元、なんてどうだろう。なかなか間が抜けて、いいと思う。


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