私の文章作法

 タイトルは、もちろん、冗談である。人に教えるほどの方法論や技術を持っているわけではない。


 この日記は、たいてい、出たとこ勝負で書いている。


 大まかに、「こんなことについて書くか」というのは、ある。
 それだけで書き始めることもあるし、「こういう話を途中で入れよう」とぼんやり頭の中で思っている場合もある。


 ただ、流れをあらかじめ考えて書き始めることはめったにない。
 書きながら、「じゃ、ま、こんな流れにすっか」と決めたり、最後まで流れを考えないままに流したり、そこらへんはいろいろだ。


 自分が書いたことに触発されて新しいネタが浮かんだり――というと、リッパそうな物言いだけれども、ありようは単なる思いつきである。
 どこへ話が跳ねるのかは、自分でもわからない。「思考の桂馬飛び」と呼んでいる。諺通りに歩の餌食となって、なんだか、だらしないままに終わることも多い。


 つまりは、あんまり考えないで書いている。脊椎あたりで反射的に書いている具合だ。


 もっとも、大脳のへんできちんと考えようにも、あちこちが腐っているんだから、しょうがない。さっきから、鼻や耳から腐った脳が粘液状になって流れ出てきて、困っている。


 しょうがないので、洗面器の真上に頭部を持ってきて書く。だらだら液が流れ落ちて、たちまち、洗面器はいっぱいになってしまった。
 どうやら、脳が全部、出てしまったらしく、妙に頭が軽い。振ると、頭の中にわずかに残った液がぴちゃぴちゃ言う。


 ほらほら、脊椎で書いているとこんなことになる。私の日記の書き方について記していたはずなのに、何なのだ、この気色悪い話は。


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