鹿児島弁

残念ながら鹿児島に行ったことがなく、今の鹿児島弁がどういうものか知らない。 その一方で、幕末から明治維新を扱った時代劇や時代小説はたくさんあるから、おれの中での鹿児島の言葉はドラマや小説で西郷さんが使うようなもの、薩摩弁というか、いっそ西郷…

靴下の墓場

洗濯物を干しているとき、よく靴下の片方がなくなっていることに気づく。洗濯機のまわりや、物干しまでの動線を探してまわるのだが見つからない。 この「靴下がなぜか片方だけなくなる現象」は国際的な問題であるらしく、イギリスでの調査によると、イギリス…

杉野兵曹長の銅像

おれは古い落語の録音をよく聞く。戦後の志ん生・文楽あたりからで、幸い戦後は落語がラジオの重要なプログラムだったから録音がいろいろと残っており、CDがたくさん出ている。 戦後しばらくの落語で、女が横倒れにくずおれる姿を、まれに「杉野兵曹長の銅像…

東京遷都

相変わらずの思いつきを書く。毎度ながら、ここに書き散らしたことに一切責任をとるつもりはない。 昨日、自転車で皇居のわきを走りながら、「明治維新の際、なぜ都を京から東京へ移したんだろうか?」と考えた。大政奉還の後、京都をそのまま都にする選択肢…

インターネットの知情意

時折、インターネットについて「集合知」とか「知の共有」がどうのという議論に出くわすことがある。 個々の議論をどうこういうつもりも実力もないのだが、どうして「知」というテーマばかりが出てくるのか、ちょっと不思議ではある。 人間の精神活動を「知…

翻案 冥途の飛脚

昨日、誘われて、国立劇場の文楽公演を見てきた。ここ数年、文楽にはご無沙汰していた。 二部の「曽根崎心中」、三部の「冥途の飛脚」を見た。どちらも近松門左衛門の心中物である(「冥途の飛脚」は後段で心中未遂に終わるそうだが、おれは未見)。五時間心…

可朝の米朝評

少し前に柳家小さんと桂米朝と立川談志のCDボックスを買って、今は順繰りに聴いている。どんなに好きな落語家でも立て続けに聴くと飽きてくるから、このローテーション方式はお勧めである。 ついでに、雑誌ユリイカの米朝特集号も買った。2015年6月号だから…

饒舌-トーカティブ-

遠藤周作の小説「沈黙」をマーティン・スコセッシ監督が映画化して、ちょっとした話題になっているようだ。 まだ見ていないが、スコセッシ監督の映画はどれも面白いから、期待できる。 おれが遠藤周作の「沈黙」を読んだのは数十年も前だが、おおまかなスト…

メリー・クリスマス、ミスター・ローレンス

大島渚監督の「戦場のメリー・クリスマス(Merry Christmas, Mr. Lawrence)」を見た。 前に見たのは大学生か、社会人になりたての頃だと思うから、おおよそ三十年ぶりである。そのときは、坂本龍一のテーマ曲は印象的だったが、ビートたけしの乱暴さと坂本…

黄色い洟

今日はいささか汚い話なので、その手の話題が苦手な方にはご容赦いただきたい。 何かを人にたとえて考えてみることがあって、退屈しのぎになる。蝿でも電柱でもカーテンレールに引っかけたハンガーでも、「この人はどういう心持ちなのであろうか」と想像する…

神仏を信じること

おれは若い頃、理屈っぽい嫌な野郎で、「神なんかいるわけがない」などとうそぶいていた。 しかし、この年になると(先日、生誕半世紀を迎えた)、人間の考え(正しくはおれの考え)には限界があるとわかってくるし、またいささかこずるく立ち回ることもでき…

虫歯を治す薬

先日、人と話していて、なかなか面白い設問に至った。 もしあなた(これをお読みのあなた)が虫歯を一発で治す薬と歯周病を一発で治す薬を発明したら、発表すべきだろうか? 発表すべきでないだろうか? もう少し細かく設定すると、それぞれ虫歯菌と歯周病菌…

人類普遍の原理?

若い頃というのは一般に社会経験が少なく、おまけに血気盛んであるからして、理屈に走りがちなところがある。老けてくると、なんやかやと体験してくるし、心身にいろいろとガタがくるせいもあって、経験というもののありがたみがわかってくる。 いきなりなん…

イチョウの物語

今年の秋は暖かいせいか、あるいは毎年こんなものだったか、東京ではようやくイチョウが黄色く染まり、散り始めている。 イチョウというのはなかなか数奇な運命をたどってきた植物であるらしい。以下はWikipediaの記述をただまとめただけだが、よろしければ…

晴れ男(女)と雨男(女)

閃くというほどではないが、ふと何かに思い当たることがある。 昨日も自転車で山手通りを走っていて、ふと「晴れ男というのは、あれは要するにポジティブ思考ではないか」と思い当たった。 晴れ男(あるいは晴れ女。煩雑なので、以下、晴れ男で)というのは…

運動と労働

自転車で荒川の貯水池(彩湖)に行ってきた。 行くのは初めてである。彩湖のまわりはなかなかきれいな公園として整備されてあった。おれにとっては運悪く、公園の周回路はマラソン大会のため、通行禁止になっていた。仕方がないので、荒川の土手を走った。 …

蠟小平と貧しさ

タイトルの「とうしょうへい」の「とう」の字が変な字に化けているかもしれない。書体のコードの問題らしい。書きたいのは左が「登」で右がこざとへんである。 さて、前回に引き続き、蠟小平の話。 中国が文化大革命(「階級闘争」の名のもとの、広範な社会…

蠟小平

エズラ・F・ヴォーゲルの「蠟小平」を読んだ。現代中国の父 トウ小平(上)作者: エズラ・F・ヴォーゲル,益尾知佐子,杉本孝出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2013/09/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る現代中国の父 トウ小平(下…

私と憲法

タイトルを書いたら、昔の社会党の作文みたいで笑ってしまった。 おれは1966年生まれだから、現行憲法の施行(1947年)から約20年後に生まれたことになる。 改憲論者のうち少なからぬ人が「現行憲法はアメリカから押し付けられたものだから、自主憲法を制定…

転がる人

毎年、日本ではノーベル文学賞を村上春樹が受賞するとかしないとか話題になる。 ノーベル文学賞がどういう質(量の話ではない)のもので、国際的に(つまり、スウェーデン人やアメリカ人やフランス人やイギリス人やイラン人やアルゼンチン人やインドネシア人…

意識高いけ?

「意識高い系」という言葉があって、幸か不幸かおれはそう呼ばれたことがないが、いやらしい語感である。 「いやー、あなたは意識が高い!」と言われれば、おそらくは褒め言葉だ。しかし、「いやー、あなたは意識が高い系!」と言われたら、不穏な空気が流れ…

祭り

相変わらず土日は雨が降らない限り自転車でそこらへんを走り回っている。 素朴な感想で恐縮だが(おれは素朴なのだ)、いつも感心するのは自動車の多さである。これだけ自動車が大量に走り回って、よく石油がなくならないものだ、と思う。 いや、自動車に限…

破壊

先週の休み、家の前の通りは電柱づたいに提灯が列となっていた。秋祭りであるらしい。 おれは「戦火の馬」というDVDを借りて、家に帰った。週末に酒を飲みながら家で映画を見るのが習慣である。 「戦火の馬」は第一次世界大戦の軍馬の運命を扱ったスピルバー…

駐輪禁止

おれの住んでいる町には商店街があって、なかなか流行っている。人通りが多い。 商店街と直角に交わる通りは駐輪禁止なのだが、構わずに多くの自転車がとまっている。駐輪場もないことはないのだが、ちょっと不便なところにあり、ふらっと来る人たちは商店街…

さんまと志ん生

先週に続いて、明石家さんまについて思うことを書く。 さんまは、驚異的な場回しのよさ、どんな相手でも笑いに持っていくトーク術で知られている。あのテクニックをさんまはどういうふうに身につけたのだろうか。 番組の中で、特にお笑い芸人を相手にすると…

明石家さんまと落語家の了見

明石家さんまは落語家の了見を持っていると思うのである。 のっけからいきなりだが、ここはおれが思うことをおれがほざき散らす場であるからして、お許しいただきたい。 ここで言う落語家の了見というのはおれが勝手にそう思っている了見である。世の中や人…

進化の速度

生物の進化と、人間の科学技術、モノ、サービス、生活の進化について、もう少し書いてみる。 この数百年の間の、科学技術、モノ、サービス、生活様式の進化の速度は驚異的だとおれは思う。人類の文明の歴史をどこから数え始めればいいのかわからないが、仮に…

ふたつの進化

このところ、カンブリア紀についての本を続けて読んでいる。 カンブリア紀は5億4200万年前から4億8800万年前までの約5千万年間のことで、この期間に動物は爆発的な進化を遂げたとされる。その前のエディアカラ紀には海綿かサンゴのような自力ではほとんど動…

千年の愉楽

前から気になっていた映画「千年の愉楽」をDVDで見た。最近見た中では出色だった。 「千年の愉楽」は中上健次の連作小説で、名が高い。おれが読んだのは二十代の頃だから、もはや筋は覚えていないが、読み終わった後の怖いような、感銘を受けるような不思議…

老いと霊長類

昨日、電車の席に座って、ぼんやりと向かいの席に並ぶ人々を見ていて、ふと思った。「人間は年をとると、だんだん顔がサル化していくなー」。 サル化というか、霊長類化(ただし、人類を除く。以下、同じ)と言ってもよい。これはほぼ間違いなくそうである。…