千年の愉楽

前から気になっていた映画「千年の愉楽」をDVDで見た。最近見た中では出色だった。 「千年の愉楽」は中上健次の連作小説で、名が高い。おれが読んだのは二十代の頃だから、もはや筋は覚えていないが、読み終わった後の怖いような、感銘を受けるような不思議…

老いと霊長類

昨日、電車の席に座って、ぼんやりと向かいの席に並ぶ人々を見ていて、ふと思った。「人間は年をとると、だんだん顔がサル化していくなー」。 サル化というか、霊長類化(ただし、人類を除く。以下、同じ)と言ってもよい。これはほぼ間違いなくそうである。…

心霊GO お地蔵GO

ポケモンGOが一種、社会現象になっている。もしかしたら、昭和三十年代の(おれは実体験してないけど)ダッコちゃんブーム以来の騒ぎなんではないか。知らんけど。 それでまあ、例によって無駄なことを考えるのが習い性であるおれであるからして、「心霊GO」…

貞子のYouTube

貞子というのはご存知、ホラー小説/映画の「リング」に出てくる魔物的女性である。映画版では、「呪いのビデオ」を写したテレビ画面から長い髪を前に垂らして出てくる衝撃的シーンが有名だ。 ふと思ったのだが、「呪いのビデオ」をYouTubeにあげるとどうな…

のきもち

「いぬのきもち」「ねこのきもち」というベネッセの雑誌&ウェブサイトがあって、うまい名前をつけたものだなあ、と思う。愛犬家、愛猫家にとってはとても気を惹かれるタイトルであろう(最近のは定期購読のみとなっているらしく、古い表紙で申し訳ない↓)。…

剥製

以前にも書いたことがあるが、上野の東京科学博物館には南極探検隊の樺太犬タロと忠犬ハチ公の剥製がある。今はどういうふうに展示しているのか知らないが、何年か前に行ったときは二頭並べて置いてあった。 タロとハチ公は互いに特に関係ない。共通項を探せ…

東アジアの大都市

水、木、金と台湾の台北に行ってきた。 古い低層のビルと、超近代的な高層ビルが並び建っていて、その中間が比較的少ない印象である。経済成長のスピードを反映しているのだろうか。 ベーシックな街の雰囲気や人のたたずまいは子供の頃によく行った大阪に似…

ロボット

熱心に追いかけているわけではないが、ロボットに関する記事やニュース、動画があると何となく見たくなる。未来とかイノベーションに興味があるというより、ロボットを通してそれを作ったり評価したりする人たちの考え方や物事の捉え方が見えてくるのが面白…

笑う門には福来たる

「笑う門には福来たる」というが、あれはどういうロジックなんだろうか。 笑いにもいろいろあって、たとえば、フフッ、と口の端で皮肉に笑う。ああいうのはあんまり福が来そうにない。というか、福が来ない人たちがねじくれて、そういう笑いを浮かべやすくな…

未来

重力の強い言葉というのがあって、たとえば、「未来」なんていうのもそのひとつらしい。 一般的には、単語ひとつで「未来」と言われるとポジティブな印象があるようだ。暗い未来像というのもあるけれども、ぽんと「未来」というとおそらく多くの人がよいイメ…

ゲバラとカストロ

時々、チェ・ゲバラのTシャツを着ている人を見かけることがある。 確かに、チェ・ゲバラはカッコいい。アルゼンチンに生まれ、医学を学びながら南米をオートバイで走破し、生まれ育ちとは全然関係のないキューバ革命をカストロらとともに成功させ、アフリカ…

父よあなたは偉かった。母よあなたは

「〇〇の父」と呼ばれる人々がいる。たいがいはある分野を切り拓いた人々である。 たとえば、アレクサンダー・グラハム・ベルは「電話の父」と呼ばれる。 電話の父 アレクサンダー・グラハム・ベル 立派である。いかにも偉人というふうだ。 邪鬼であるおれは…

ゆるむ

おれは今年で五十になるんだが、この年になるといろいろ実感を持ってわかってくることがある。 もっとも、人生とは、とか、愛とは、とかはさっぱりわからず、実感するのはもっぱら己の肉体および精神方面のダメさ加減である。 先日、健康診断で逆流性食道炎…

日々の不幸と幸福について

おれはおれがおれであること以外に人生であまり大きな不幸を体験したことがないのだが、日常的に小さな不幸を体験することはある。 昨日、定食屋のカウンターで飯を食っていたら、隣にクチャクチャ男が座った。くっちゃくっちゃ音をたてながら食うのである。…

悲劇は突然訪れるのか

先週のことだが、カレー屋のカウンターでカレーを食べながらスマホを見ていたら、つるりと手からスマホが滑り落ちた。「あや?」という間もなく、カレーの沼の中にスマホが半分埋没した。 救い出すと、当然ながらスマホはカレーまみれである。大量の紙ナプキ…

日本恭順党

日本共産党というのは、ついからかいたくなる政党である。 自民党をからかうのは「政治風刺」のニオイがしてどうも嫌らしいし、民進党はからかってもしょうがない。社民党をからかうのは弱者をいじめるようで心持ちがよろしくない(福島瑞穂のピンクのスーツ…

コワイホ

おれは水滸伝が好きで、何年かに一度、周期的に読みたくなる。 最初に読んだのは小学生のときで、図書館でたまたま手にとってみたら、面白くてしょうがなく、借りて、読みふけったのを覚えている。以来、ワカゾーのときは一時離れていたが、三十代になってあ…

墓碑銘

おれはガキの時分から腸が弱く、まあ、いろいろと大変な目にあってきた。 おまけに乾燥肌のアトピーであって、基本、いつもカイカイ状態である。 それで思ったのだが、もしおれが墓を建てたら、こういう墓碑銘を入れてみたい。 生涯をかけて腹痛と痒みと闘い…

デブの人は生きていること自体が鍛錬ではないか

みなさんは米を買うとき、一回にどのくらいの量を買うだろうか。 おれは3kgずつ買う。自転車で15分くらいのところの米屋で買い、リュックに入れ、坂道をハーヒー言いながら登って帰る。3kgは結構重い。 話は変わるが、先日健康診断に行った。体重は68kgだっ…

武器の進化の条件

動物たちの武器作者: ダグラス・J・エムレン,デイヴィッド・J・タス,山田美明出版社/メーカー: エクスナレッジ発売日: 2015/06/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る 動物の武器が進化する条件と、同様の目で人間の武器が進…

i=a

「稲本(e)」。イナモト、カッコいー、である。「稲本a(c)」。イナモト、ええカッコしぃ、である。これらは昔思いついたネタだが、昨日、電車で手持ち無沙汰だったので、他にできないか考えてみた。 まず、「カッコわるい」。「わるい」がなかなか難しかった…

世代

おれの世代は世間から「ガンダム世代」と呼ばれることがある。 おれ自身は嫌でたまらない。日本のアニメ全般が苦手なせいもあるし、ガンダムファンには申し訳ないが、(幼児の頃は別として)ロボットアニメを面白いと感じた試しがない。最初のガンダムがテレ…

父性本能をくすぐる女

母性本能をくすぐる男というのがいる(らしい)。 おれは男なので自分の気持ちとして理解できるわけではないが、おそらく、どこかダメなところがあって、女性に甘えるところがあり、女性からすると「私がなんとかしてあげないと」と思わせるような男なのだろ…

逝けばわかるさ

例によってのオレオレ話で申し訳ないが、おれはあまり死後の世界とか、霊とかに興味がない。 そもそもあまり宗教的な人間でないせいかもしれない。個人的にはお不動様を信仰しているのだが、あくまで心の持ちようみたいなところでたよりにしているからであっ…

コンテナ物語

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった作者: マルク・レビンソン,村井章子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2007/01/18メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 72回この商品を含むブログ (46件) を見る 原書は2006年の出版だから10年ほど前の本だ…

「日本人は」

SNSやら何やらでネット上の文章を読むと、よく「日本人は〜」という類の文章に出くわす。「日本人の勤勉さは〜」とか、「日本人にとってモノヅクリは〜」とか、「日本人は農耕民族で〜」とか、「日本人は列に並んでも〜」とか、まあ、いろいろある。ポジティ…

放送と公平性

安倍政権になって、特に安保関連法案がやいのやいのと騒ぎになった頃から、放送に対する政府の圧力ということが取りざたされるようになった。 おれは馬鹿なのでざっくりしか理解していないが、政権側の言い分は「放送法にしたがって、政治的に公平であれ。(…

ご迷惑おかけして

しばしば気になるのだが、電車の車内アナウンス、あれ、大げさに謝りすぎではなかろうか。「電車が遅れまして、大変ご迷惑おかけいたしました。深くお詫び申し上げます」、などと言う。遅れたと言っても2、3分だったりする。落語の「風呂敷」のアニさんでは…

エスカレーターの習慣

先週の金土日と大阪、京都に行っていた。 東京から大阪に行った人はしばしば「あや?」と感じると思うが、エスカレーターの列の並び方が、東京と大阪では反対である。東京では左に並んで、右は歩く人のために空けておく。ところが、大阪では右に並び、左は歩…

デジタルネイティブ

正月に実家に帰って、姪、甥と顔を合わせた。 甥はまだ2歳で言葉もそこそこだが、やたらとスマホを操って動画を見ていた。あー、まさにデジタルネイティブなんだなー、と感じ入った。 おれは今49歳で、翻って考えてみると生まれた頃から家にテレビがあった。…

胃もたれダイエット

パッと何かがひらめく瞬間というのがある。「ひらめく」という字は「閃く」と書く。人が門の中に入っている。だから……だから……だから……何なんだ? 先日、午後に知らない店でふと出来心でコロッケを二つ買い食いした。油が古いのか、妙に重たい食感だった。食…

向こう、海外

相変わらずとりとめのない話題で申し訳ないが、海外のことを「向こう」と呼ぶことがある。話の前提がない場合、たいがいは欧米諸国のことである。「向こうではね、挨拶としてキスしたり、抱き合ったりするのは普通ですよ」なんていうふうに言う。この場合の…

イチョウとソメイヨシノ

今年の東京は暖かく、12月も下旬に入ろうとしているのに、まだイチョウが葉を残している。 イチョウは同じ場所に生えていても、早くに色づいて葉を落とす木もあれば、緑のままなかなか色づかない木もある。日当たりや土壌の差がそれほどなさそうなところでも…

ツッコミはデザイナーである

おれはデザイン系の制作会社でプランニングとかコピーワークの仕事をしている。 尊敬するグラフィックデザイナーの佐藤卓さんが「デザインとは人とありとあらゆる物事をつなぐ仕事」とよくおしゃっていて、この頃、確かにそうだなあ、と思うことが多い。また…

ばばちゃこちん

(今日はシモとエロの話なので、その手が嫌いな方はご勘弁ください) 関西弁ではうんこのことを「ババ」と呼ぶらしい。 おれは北陸の生まれ育ちだからニュアンスがよくわからないけれども、おそらく、小学生が外で犬のうんこをぐにゅっとやったりすると、「…

お金と人間の構想力

ふと思ったのだが、もし「1兆円宝くじ」というものがあって当選したら、人は何に使うだろうか。 実際には、宝くじの総売上は多くても2千億円弱だそうだから、賞金1兆円ということはあり得ないのだが、そんな小さなことはどうでもよい。「もし、突然1兆円が自…

稲本皇帝

2015年のキラキラネームランキング1位は「皇帝」なんだそうだ。→ livedoor News - 2015年キラキラネームランキング 1位は「皇帝(しいざあ)」「キラキラネームランキング」というのは、「赤ちゃん名づけ」というスマホ向けアプリでアクセス数の多かったキラ…

すりかえ

映画「MOZU」の喫煙シーンの多さが問題視されていることについて、伊勢谷友介が「タバコが嫌いなのを映画に当てつけてる。映画の時代背景やキャラクターのバックグラウンドは善悪ではない」とTwitterに記して、ちょっとした話題になっているそうだ。→ シネマ…

「粋な人」は「いきなひと」とも読めれば、「すいなひと」とも読める。 せいぜい落語からの知識だが、関東ではほとんど「すいなひと」とは言わないようである。関西では、「いきなひと」もつかわないではないが(関東からの影響かもしれない)、「すいなひと…

桜田門外の変

江戸幕府崩壊 孝明天皇と「一会桑」 (講談社学術文庫)作者: 家近良樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/02/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る 幕末の歴史を主に孝明天皇と一橋慶喜、会津藩、桑名藩から眺めた本。 幕末から明治維新にか…

子供に戻るのか

年をとるとだんだん子供に戻っていくという説がある。おれも最近、自分でそんなふうに感じている。 例えば、若い頃はそうでもなかったが、忘れ物をすることが多くなった。以前は「あれとこれを用意しておいて」と割りかし周到だったのだが、この頃はなんとな…

雨ニモマケズを翻訳する

相変わらず突然の話題で恐縮だが、詩の翻訳というのは実は半ば創作ではないかと思うのである。特に、ヨーロッパ系の言語と日本語のように文の構造が全く違う言語間の場合には、韻やリズムが全く別物になってしまう。意味を変換するという意味での「訳」だけ…

口と鼻の機能と位置関係について

毎度ながら人間の体というのはよくできていると思うのである。 このようなことを書くのは、先日、何かで、鼻が口の真上にあるおかげで人間は危険な物質が体内に入るのを防ぐことができる、というようなことを読み、ハタと膝を打ったからだ。ちなみに、おれは…

社名を考える

おれはものすごい面倒くさがりのうえに圧倒的に実力不足なので、今もこれからも自分で会社を作ることはないだろう。しかし、もし会社を作ったらどんな社名がいいかを考えてみることはある。 たとえば、やたらと大袈裟な名前をつけるとしたら、どんなのがいい…

うでてた人

よく言われることだけれども、悲劇というのは人間を間近で見て共感や同情などの感情を覚ええるもので、喜劇というのは人間をどこか突き放して見て「ああ、なんてバカなことをしてるんだろう」と笑うものだと思う。この「なんてバカなことをしてる」には自分…

オリンピックの本質を考える

おれは今日、画期的な提案をしたいと思う。 それは: 「オリンピック」という呼び方をやめてしまう。 ということである。 ではどう呼ぶかというと: 「夏の大運動会」 これである。 なぜなら、オリンピックの本質は運動会だからだ。それが国家の威信やらイベ…

河童と水難

出所がわからないのだが、こういう絵がある。 川を泳いでいる少年に河童が二匹襲いかかり、尻子玉を抜こうとしているところらしい。必死に抵抗する少年の顔がスリリングさを大いに増している。褌姿が妙にエロティックだ。おれには少年愛の趣味はないけれど、…

構造と乳牛

インターネットというのはネットワークのネットワークで、その中ではいろんな情報がつながりあっているからして、時折、意表をつくものに出会うことがある。 今日はこんなものに出くわした。→ フォト蔵 - 渋過ぎる乳牛の秘密w ダハハ。何じゃ、こりゃ。 検索…

クレームと過敏

少し前に、東京都立現代美術館の『おとなもこどもも考える ここはだれの場所?』展で、美術館と東京都が出展作家に作品の撤去を要請したというゴタゴタがあった。 「檄 文部科学省に物申す 会田家」と書かれた大布や、安倍首相を皮肉ったようなビデオ作品に…

地獄で仏

「地獄で仏」といって、救われた気分を指す。 しかし、あらためて考えてみると、地獄で仏に会うとどうなるのだろうか。 血の海に浮かんでは沈められる亡者。仏様がそばを通った。 「あ、仏様! 助けてください!」 仏様のそばの菩薩が「いかがいたしましょう…