山手源氏物語

昔、山手線の「日暮里(にっぽり)」を「ひぐれのさと」と読むとみやびになると誰かが言ったのを、なぜだか突然思い出した。頭の中の混線状態がますます進んでいるらしい。 混線したまま、その手の名前が他にもないかなー、と、山手線の路線図を広げてみた。…

頑張れとTake it easy

人が何かに挑戦しようとしたり、困難に向き合っているとき、日本で一番よくかけられる言葉は「頑張れ」(頑張って、頑張れよ、等々)だろう。 同じ状況で、アメリカではよく「Take it easy.」と言われるという。「気楽にね」とか、「肩の力を抜いて」という…

仏教でクリスマスを真似るとどうなるか

12月に入って、街はクリスマス色である。 この時季になると毎年書くのだが、キリスト教徒でない者がクリスマスを祝うというのは少々奇妙ではないか。極論すると、不誠実な態度にも感じるのだ。 まあまあ、そんなかたいこと言わずに、というのが大方の意見だ…

不器用な魔法使い

これまで何回も書いたおぼえがあるけれども、おれはガキの時分から不器用で難渋してきた。 朝、歯を磨こうとすると、歯磨き粉を歯ブラシに乗せそこなうし、うまく乗せた途端に歯ブラシごと落っことす。服のボタンを止めるのが一苦労だし、鍵穴に鍵を差し込む…

ハロウィンと・・・

相変わらずのくだらない思いつきを書く。 もう三週間ばかり経ったけれども、今年も渋谷や六本木ではハロウィンの騒ぎが大変だったらしい。 おれの記憶(かなり怪しい)では、東京の繁華街でハロウィンが広まったのは五、六年くらい前だと思う。あくまで想像…

サイゴウドン

家にころがっているいいちこのラベルを見たら「下町のナポレオン」と書いてあって、あー、そういえば随分昔からこのキャッチフレーズを使い続けているよなー、と思った。 「下町のナポレオン」というフレーズは、もちろん、ブランデーの等級の「ナポレオン」…

記憶引き出し説

おれは今、五十歳で、ここ最近、物忘れが多くなった。 物忘れにも大きく分けてふたつある。名前が出てこないという場合と、やるべきことを忘れてしまう、やったかどうかを忘れてしまう場合だ。あれ、みっつかな。 名前が出てこないというのは、たとえば、人…

DNA

「DNA」という言葉が安易に使われていて、気になることがある。 遺伝の話をするのなら、何の問題もない。しかし、「代々受け継がれていくもの」→「DNA」という捉え方になると、甚だ怪しい。 典型的なケースが「日本人のDNA」という言い回しだ。感性とか文化…

A.I.は人間がモデルでないといかんのか。

無知というのは便利なもので、知らぬのをいいことに勝手なことをほざける。 おれはA.I.なんぞというややこしいものについて勉強したこともなければ、近づいたことすらない。何となく、会話や書かれたものを含めて人間の行動をインプットし、そのデータベース…

民主主義、民本主義、民権主義

政治思想というものをほとんど知らぬがゆえの厚かましさでふと思ったのだが、我が国において西洋のdemocracy(以下、デモクラシー)の訳語を「民主主義」としたのは、いささかしくじったんではないか。 字面通りに「民主主義」を眺めると、「民を主とする主…

断捨離と思い入れ

先日、妹からメールが来た。富山の実家が取り壊されるとのこと。 文面から妹がさみしく感じているのはわかった。一方、おれはというと、特に感慨はない。おれが高校を出るまで育った家であり、それからも盆暮れには帰っていたから何かあってもよさそうなもん…

アイロンがけの楽しみ

これを書くと、今の日本では知性・品性・感性の三点において馬鹿にされかねないのだけれども、おれは村上春樹の小説が苦手である。といっても、最後に読んだのはもう十数年前だが。 話の冒頭からビールだのコーラだのTシャツだのスパゲティーだのと続いて、…

ひるまちよるまち

秋祭りの季節で、東京の住宅街でもドンドコドンドコ、ワッショイワッショイと賑やかである。 一方で、夜勤の看護婦さんやコンビニ店員は昼間、やかましくて眠れたものではないだろうなー、と思う。 時々、近くの保育園がうるさいとか、寺の鐘がうるさいとか…

大相撲の危機?

休みの日に限るけれども、ひさしぶりに大相撲を見ている。幕内にもいろいろな力士が出てきて、まあまあ、面白い。 一方で、あれ、こんなんだっけな、とちょっと違和感も覚えている。投げが少ないのである。 試みに、昨日(九月場所中日、9月17日)の幕内の決…

自分の言葉に影響される

こんなふうに毎週駄文を書いていると、書く内容を思いつかない日もある。 そういうときに一番いけないのは「今日は書くことがない」と思ってしまうことだ。「書くことがない」と頭の中で言葉にしてしまうと、本当に書くことがなくなってしまう。 結果、「書…

1868年以降は東京時代と呼ぶべきではないか

我が国の歴史はご承知の通り、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、戦国時代、安土桃山時代、江戸時代・・・と区分される。 戦国時代を除けば、おおむね日本の多くを束ねたとされる政治権力の拠点の地名に「時代」をつけている。室町時代は京都の室町(…

最初に自殺した人

深刻なテーマをおれのような馬鹿者が扱って申し訳ないのだが、人類史上、最初に自殺した人というのはどういう人で、どういう理由だったのだろうか。 自殺自体はかなり古く、中国の史記にはよく「自刎」という言葉が出てくる(自分で首をハネるということらし…

何トカ人といってもいろいろだ

今週は金曜に仕事に出ただけで、後は休んでいた。 前半は京都の実家に行った。おれの生まれ育ちは富山なので、「帰った」という感じはしない。 一日、奈良で遊んだ。 奈良公園は鹿のフンがにおって往生した。保護されて数が増えすぎているとも聞く。フンの量…

透視能力

透視能力というものが本当に存在するのかどうかは知らない。 おれは今ちょうど人間五十年下天のうちにくらぶればなんだが、透視能力は、ガキの時分のSF小説だの漫画だのテレビのヒーロー物だのによく出てきた。よく知らないが、今の少年少女にとっても事情は…

驚きの白さに

ヘンな日本美術史作者: 山口晃出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2012/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (51件) を見る 芸術家や芸人が、その芸術なり芸事に取り組んでいる瞬間に感じることを上手に説明し…

ダメを喜ぶ心

「千里の道を一歩目からすっ転ぶ」。おれが昔につくった言葉だ。割に気に入っている。「期待を一身に背負って、そのまま前に倒れる」という言葉もつくった。最近、「行き当たり、ばったり」という言葉を思いついて喜んだのだが、これは以前に思いついた言葉…

社会と世の中

おれは「世の中」という言葉が好きで、いっそ結婚したいくらいだ。というのはさすがに嘘だが、好きだというのは本当である。 世の中という言葉は人のにおいのするところがいい。これが「社会」となるとどうも固苦しく、そこで息づいている人の感じがしない。…

呼び捨てでよいのか

サイトウ・キネン・オーケストラというクラシックの楽団があって、おれもCDを一枚持っている。小澤征爾がよく指揮をすることで有名だ。楽団といっても常設ではなく、音楽家で教育者の齋藤秀雄の弟子筋、あるいは小沢征爾(彼も齋藤秀雄の弟子)の知人の演奏…

伝説化のプロセス

先週、司馬遷の「史記」のエピソードには神話、伝説、事実の3つのフェーズがあると書いた。そして、読んでいて最も面白いのは伝説である、と。 考えてみれば、当たり前である。伝説というのはいろんな人々の間で話が面白く伝わっていくうちに形成されていく…

神話、伝説、事実

前回書いた史記は漢の司馬遷が紀元前91年頃に完成させたものだそうだ。黄帝、堯、舜などの五帝に始まり、司馬遷の仕えた武帝の時代まで記している。 読むと、古い話から順に、「神話」、「伝説」、そして司馬遷が直接体験したり耳にしたりした「事実」の3つ…

史記の構成

司馬遷の「史記」を読んだ。といっても、おれには原語で読む知識はなく、漢文訓読点で読む能力もなく、小竹文夫・小竹武夫による現代語訳を読んだ。 史記 全8巻セット (ちくま学芸文庫)作者: 司馬遷出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1997/07メディア: 文庫…

感情と倫理

タイトルを書いて、笑ってしまう。大げさである。まあ、おれの書くことだから、内容は大したことにならないはずだ。 このところ、「知情意」という視点で物事をとらえることを時々してみている。知は理屈、知性。情は感情、感性。意は意志とも言えるし、道徳…

空気を読むという行為

会議などで「空気を読む」ということがよく行われる。白状すると、おれも割に読む。読んだ後、どうふるまうかはいろいろである。 あの「空気を読む」という行為、どういう仕掛けになっているのかなあ、と時折、考えることがあった。山本七平に「『空気』の研…

間が持たない

まずは黙ってこのムービーを見ていただきたい(別にわめきながらでもかまわないが)。 スティーブ・カッツという人の動画だそうだ。もしかしたら有名な人なのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。 皮肉がキツく、ユーモアがあり、品とどこかにやさ…

桜と梅

東京では花見の季節を終えて早ひと月以上になる。今となってみれば、季節も落ち着いて、あの狂乱のアラエッサッサー状態はなんだったのかと思う(おれもあの時期にはいささか心浮かれるのだが)。 おれは桜も好きだが、年をとって、梅もいいなあ、と感じるよ…