陰謀論

陰謀論というのは根強い人気のあるジャンルで、平常時には歴史上の陰謀論が唱えられ、非常時になると現代の陰謀論が唱えられる。 陰謀というものは間違いなく存在するとおれは思う。米騒動と造船疑獄とオイルショックとパナマ文書事件に関わったおれが言うの…

幸福な産院崩壊

例のコロナ・ウィルスで世界中ドタバタしており、特にイタリアは大変な騒ぎのようである。 外出が禁止され、アパートメントに住む人々がベランダに出て大合奏を繰り広げる動画が一気に広まったり、ボードビリアン達が手洗いの仕方や、直接の接触を避けること…

一を聞いて十はわからない

たとえば、アメリカを旅行して、たまたま知り合ったおばさんの家に泊めてもらったとする。おばさんは何くれとなく面倒みてくれた。そうすると、こんなふうに考えがちだ。「アメリカ人は親切だ」。 あるいは逆に、アメリカを旅行して突然暴力をふるわれ、非常…

一丸

「一丸となって」とか、「総力を挙げて」などという表現を好む人がいる。 先日、「官民一丸となって」というセリフを見かけて、怖じ気をふるった。ヤだね! ゴメンコームルヨ! 官なんかと一緒になりたくないし、一緒にやったら、それは癒着というものである…

マンション名の日本語訳

周知の通り、ご一新の文明開化以来、我が国における洋物崇拝には非常なものがある。一方で、それに対する反作用としてのニッポン・バンザイ論もはびこっていて、鏡に自分の顔を映してニヤニヤしているような姿をそこらじゅうで目にできる。もっとも洋物崇拝…

フナムシのいのち

動物の生き死にについて「同じいのち」(なぜかひらがなで書かれる)と言い出す人がよくいて、読んだり聞いたりするたびにおれは困ってしまう。 犬猫のようにペットとして飼われている、というか、人によっては家族のような存在になる動物なら、まあ、気持ち…

タイフーン期

表現の分野でも科学技術の分野でも、短期間に物事が非常に進んで、面白い出来事が次々に起きる時期というのがある。仮にタイフーン期とここでは読んでおこう。 たとえば、ロックなら1960年代。パーソナルコンピュータなら1980年代前半。インターネット技術な…

ちょっと

少し観察してみるとわかるが、日本語では言葉を弱めることが多い。おれも今、冒頭で「少し」と書いたけれども、「少しばかり」とか「やや」とか「もしかすると」などと言葉を弱めたり、ぼかしたりする使い方が多いのだ。「白髪三千丈」とか、「怒髪天を突く…

痒みの誕生

おれはアトピー性皮膚炎で、子供の頃から現在までおおよそ半世紀にわたってカイカイカイカイと掻いてきた。おれの人生は痒みとの戦いであったといっても過言ではない(過言だが)。 痒みという感覚は実に不思議で、最近の科学でもどういう仕組みで感じるのか…

見たいものを見てしまうのココロ

たまたまここ2回ほど、日本論や日本人論への疑惑のマナザシについて書いたけれども、特に理由はない。毎度ながらの行き当たりばったりだ。 「折りたたみ北京 現代中国アンソロジー」を読み始めたら、編者のケン・リュウが序文でこんなことを書いていた。ちな…

日本人を特殊としたいココロ

過敏性腸症候群について調べていて、こんなページに行き当たった。 toyokeizai.net 中に、こんな文章がある。過敏性腸症候群についての記者会見での出来事だそうだ。 驚いたのは「緊張やストレスでお腹を壊す、眠れない。日本人は欧米人に比べて、この病気に…

ニッポン・バンザイ論と不安感

田中克彦の「ことばと国家」を読んでいたら、日本語への讃美についてのこんな一節があった。 一般に、自分のことばをことさらにほめる必要が生じるのは、どちらかといえば劣勢に立たされたり、あるいは強力な声援を送っててこ入れする必要のあるばあいである…

物に生命を吹き込む

誠に不思議なのだが、おれには、手にしたものが飛んでいってしまうことがある。昨日も、手にした歯ブラシが突然空中を舞い、歯磨き粉を撒き散らした。ドアを開けようとして鍵が跳ね飛んだ。自動販売機に入れようとした100円玉が手から落ち、自動販売機の下に…

リヴァプールのサッカーが楽しい

ここのところ、プレミアリーグのリヴァプールの試合を見ている。ジェラードが現役だった頃から気になるチームだったのだが、クロップ監督になってからチームの雰囲気がよく、強く、見ていてとても楽しい。 何といっても、前線の3トップ、マネ、サラー、フィ…

戦前と今と空気

この頃、満州事変や五・一五事件など、戦前の事件についての本をちょぼちょぼと読んでいる。 おれはそっち方面についてシランケンシュタインだったので、ははあ、そういうことがあったのか、と初めて知ることが多い。 プレイヤーが多く、日本が戦争に至る経…

ゾーンに入る

超一流のスポーツ選手はごくまれに「ゾーンに入る」ことがあるという。野球のバッターなら、ボールが止まって見えたり、非常に大きく見えたりする。そいつをカチコーンと打つと、逆転の大ホームランになったりするわけだ。 集中力が極端に高まると、脳が普段…

晴れ男・晴れ女

自分は晴れ男だ、晴れ女だと言う人がいて、イベントなどで、天気予報では雨でも自分が行くと雨が降らないことが多いと信じている。 天気を変えるほどの力が個人にあるとは思えないから、晴れ男・晴れ女というのは気の持ち方によるのだろう。おそらく楽天的な…

さまざまな時間の捉え方2

前回、直線的な時間の捉え方について書いた。 キリスト教、イスラム教、ユダヤ教など、終末論の宗教がベースにある社会では直線的な時間の捉え方が主になり、「進歩していく」という考え方はそうした直線的な時間の捉え方から来ているように思う。イノベーシ…

さまざまな時間の捉え方

おれは、進化は素晴らしい、という考え方を昔から疑惑のマナザシで見ておって、あまりに無邪気に進歩バンザイ! 発展バンザイ!とするような意見を読むとブーイングしたくなる。 あの進歩バンザイ! 発展バンザイ!という感じ方はいつ頃生まれたのだろうか。…

生き馬の目を抜く

慣用句にはよく考えると凄まじい表現があって、「生き馬の目を抜く」という言葉もそうだ。人を出し抜いて利益を得るというような意味で、「生き馬の目を抜く世の中」「生き馬の目を抜くような業界」などというふうに使う。 文字どおりにとらえると、何とも恐…

正しい日本語?

聞きなれない言葉遣いや、違和感を覚える言葉遣いに対して、「正しい日本語を使ってほしい」などと言い出す人が結構いる。 たとえば、近頃、レストランなどで若いバイトの人が料理を運んできて、「こちら、ハンバーグになります」と口にすることが増えた。そ…

チッチキチー俳句

こだま・ひびきという大阪のベテラン漫才師がいる。泥臭いというか、コテコテというか、お好み焼きにベッタリ塗ったソース(マヨネーズ入り)のような濃ゆさが特徴だ。むりくりにでも笑いにもっていく芸風で、東京のもりそば的な芸が好きな人はちょっと苦手…

カサブタはがし

おれはカサブタをはがすのが好きで、そのために生きていると言ってもいいくらいである。嘘である。 カサブタをはがすといっても、昔、好きだったのに別れた人のことを思い出して、「ああ、あのとき、ああしていれば」などと後悔する、いわゆる心のカサブタは…

家来から子どもへ

先週、この頃は「核家族や単独世帯が増えて、家族(主に子ども)の便利な代わりとしてペットを選ぶことが増えたんだろう」と書いた。 まあ、実際にはペットといってもいろいろであって、蛇やトカゲを飼っている人は子どもの代わりとあまり感じてないかもしれ…

ペット目線

SNSにWWF(世界自然保護基金)の広告がよく出てきて、野生動物の保護を訴えているのだろう、「かわいそうは、守りたいのはじまり。」とのたまう。 www.wwf.or.jp ああ、ヤダヤダ。野生動物に対して、ペット目線ではないか。 ペットというのは動物の中でもか…

物の名前

昨日、あいちトリエンナーレで見たビデオ作品に、翻訳について、同じ食材を使って同じような料理法でつくっても炒飯と呼ばれたりナシゴレンと呼ばれたり、というような一節があって、妙に印象に残った。 よくよく考えれば、何かに名前をつけるという行為には…

未来志向への疑問

「未来」という言葉がやたらと幅を利かしておって、おれは天の邪鬼のせいか、疑惑のマナザシで眺めてしまうのである。 先に書いたように10代の頃はおれのSF時期であって、未来ということに非常に興味を持っていた。20代の頃はパソコンやインターネットが出始…

ガキの時分の未来を思う

小学校高学年から中学くらいまで、やたらとSFを読んだ時期があって、今を去ること40年ほど前である。 おそらく、星新一あたりから入って(童話調のところが子供には入りやすかったのかもしれない)、筒井康隆で腰を抜かし、小松左京の壮大さにロマンを覚え、…

除◯

ドラッグストアや百均の中を歩くと、「除菌」「抗菌」「殺菌」という言葉にやたらと出くわす。 なぜ今の世の中に「除菌」「抗菌」「殺菌」という言葉があふれているかというと、もちろん、菌をなくせば安全、病気知らずということもある。一方で、菌というも…

英語の訛り

おれは英語のヒヤリングについてはほとんど駄目で、英語でペラペラペラペラと喋られると、ペラペラペラペラとしか聞き取れない。 しかし、映画などでかれこれ40年ほど聞いていると、アメリカ英語、イギリス英語の発音のくせくらいはなんとなくわかるようにな…