デブの美的価値を考える

おれがデブ化しつつあるということからの考察。前回からの続き。今回はデブを美的側面から捉えてみたいと思う。 現代ではデブがネガティブに捉えられることが多い。「デブのくせに」という陰口には有無を言わさぬ、言い換えれば論理と倫理を超えたパワーがあ…

デブと代謝

おれはこの春くらいからどんどんデブになっていて、半径10メートル以内ではなかなかの話題である。 なぜデブになるかというと、割と単純な理屈で: 摂取エネルギー − 消費エネルギー = デブ化エネルギー ということである。摂取エネルギーが多くて消費エネル…

アンドロイドは電気太夫の義太夫を聴くか

「人間とは何か?」というのは古来関心を集めてきた問題であるらしい。「あるらしい」と書いたのは、おれが馬鹿なうえにあんまり知識がないからだ。 馬鹿なりに面白いなあ、と思うことがある。たいがい、人間論というのはその時代の科学技術の傾向に影響を受…

あなたにとって何ですか?

テレビのドキュメンタリー番組や雑誌のインタビューなどでしばしば見かける質問に「あなたにとって◯◯とは何ですか?」というものがある。 これがおれには昔から解せない。質問するほうも質問するほうだが、答えるほうもよく答えられるものだと思う。 たとえ…

デジタル・ネイティブの衝撃

五歳になるおれの甥は(おれが五歳という意味ではない)二、三歳の頃から親のスマホやお姉ちゃんたち(十歳ほど違う)のタブレットをおもちゃにして成長してきた。子供の頃からデジタル環境が整っている人々、いわゆるデジタル・ネイティブである。 iPhoneに…

歴史をストーリーで語ること

今を去ること三十年も前になるが、おれは大学時代、文化人類学というコースに所属していた。文化人類学の大きなテーマのひとつに神話があり、おれは自分でコースを選択しておきながら、「なんでこんな浮世離れしたことを研究するのかなー」などと鼻くそをほ…

実家

ふと気になった。日常会話でごく普通に使っているんだが、日本語では親の住む家のことを「実家」と呼ぶ。文字通りに捉えれば「実の家」であって、それでは実家に対して自分が今住んでいるところは「仮家」なのだろうか。 おれの場合、富山で生まれ育って、数…

牛乳と牛

お米や野菜などで、生産者と消費者が直接つながる形がある。「どこそこの誰それ」が作ったお米、野菜と知ったうえで定期的に購入する。農家からのおたよりが来たり、時には購入者がその農家に遊びに行ったりすることもあるらしい。親戚が送ってくれるお米や…

サマータイムを導入するくらいなら

おれは世間の動きにうとくて、つい先日、2020年のオリンピックが東京で開催されることを知って腰を抜かしたくらいである。嘘である。 そんな具合だから、サマータイム制の導入がここのところ話題になっていることはうすうすと聞いてはいるが、誰がどのくらい…

恋のダイエット

相変わらずダイエット業界方面は活発なようである。一発当てればかなり儲かるのであろう。 おれにもひとつアイデアがある。昔から「身も細るような恋」という。この頃は恋というのは楽しいもの、ウレシハズカシなもの、という捉え方が多いようだが、どっこい…

デュシャンは語る

デュシャンは語る (ちくま学芸文庫)作者: マルセルデュシャン,ピエールカバンヌ,Marcel Duchamp,Pierre Cabanne,岩佐鉄男,小林康夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1999/05/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 44回この商品を含むブログ (50件) を見る …

ことわざの生命

「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがあって、なかなかに奇妙である。 ことわざというのは一般に、世の中の仕組みや機微、あるいは人情の妙などを短い、しばしば奇抜なフレーズで納得させる。意味と表現のからみあいが卓抜なことわざは人口に膾炙し、後…

大会テーマソング

今回のサッカー・ワールドカップは試合が深夜におよぶので、平日はなかなか見れなかった。それでも試合には面白いものが結構あった。 一方、相変わらず謎なのがテレビ放送の「大会テーマソング」というやつで、安いJポップが付いてくる。番組制作側の安いセ…

相撲源氏

理由は知らないが、大相撲の部屋には井筒、尾車、片男波、高砂など、雅な名前が多い。その部屋の師匠の顔は: だったりするのだが、ともあれ、名前は雅なのである。 雅といえば源氏物語の巻名がそうで、では、源氏物語に相撲部屋を紛れ込ませるとどうなるで…

知ってるつもり

知ってるつもり――無知の科学作者: スティーブンスローマン,フィリップファーンバック,橘玲,土方奈美出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/04/04メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る たまたま手にした本だったが、良書だっ…

ヘアーとすっぴん

先日も書いたように、最近、頭の後ろと横を上まで刈り上げている。 前に刈り上げてから二週間が経ち、髪が伸びてきた。 普段は整髪料で無理矢理に形をつけているのだが、シャワーを浴びて髪を乾かすと、一本一本の毛が立ち上がってなかなか盛大である。一番…

サバ食うべきか、食わざるべきか

おれは小太りになってしまった。 二十代前半の頃の体重は五十キロ台前半で、身長は168cmだから(今も変わらない)、その頃は中肉中背か、むしろ痩せたほうだったろう。それが今は七十キロだから、四半世紀の間に二十キロ近く太ったことになる。運動なんぞし…

ヘアー

ゴールデンウィーク頃から口髭を伸ばし始め、三週間前に髪を思い切って短くした。 毒にも薬にもならないような普通の髪型が疑問に思えてきたので、床屋のマスターと相談しながら髪を切っていった。 「思い切って短くしてよ」 「こんな感じスかねー」 (メガ…

京都人のA.I.

シンギュラリティと呼ぶらしいのだが、人工知能の知的能力が人間を超える日のことだ。SFで昔から描かれてきたテーマだが、どうやら現実的になってきているらしい。 A.I.が人間に代わって応対することは基本的な受け答えなら実現している。それでふと思いつい…

物忘れ

おれも生きている時間がだいぶ長くなってきて、このところ、老化現象に悩まされている。 ……などとゆるい慣用句として「悩まされている」と書いてしまったが、本当のところは悩んではいない。運動能力はもともと笑ってしまうほど低いし、体の代謝機能が衰えて…

エレベータのボタンに関する一考察

先日、知人と雑談していて、世の中には意地悪な人もいるもんだ、という話になった。 知人が朝、開いているエレベータに乗ろうと小走りした。エレベータの内側、ボタンのあたりに女が立っているのが見えた。もう少しでドアにたどり着きそうなところで、その女…

個別最適化と全体最適化

ムツカしいタイトルを書いてしまって自分でも笑ってしまうが、内容は大したことがない。 おれは会社に行くとき、目黒線から地下鉄の南北線を使って、六本木一丁目という駅で降りる。目黒線と南北線は乗り入れをしているから、一本で行ける。 六本木一丁目の…

資本主義と自由市場主義

同じようなことや似たことを述べても、言葉によって受け取るニュアンスは異なるもので、たとえば、「惚れる」と「恋する」では随分と違う。おれは英語があんまり得意ではないのでとっさに辞書を引くが、「惚れる」も「恋する」も、英語では「fall in love (w…

祈るから神(々)がいるのか、神(々)がいるから祈るのか

ここ数日、天気がよい。早めに起きて、カーテン越しに朝日が差し込むのを見て、朝日に手を合わせる人の気持ちが少しわかるような気がした。 それでふと考えたのだが、人間は祈ったり、感謝したりする対象がほしくて、神(々)という存在をこしらえたのだろう…

穴ぼこか引き出しか

このところ、とみに物忘れがひどく、「あれをやらねば」と思っていたことを三秒後には忘れてしまう。「あれを買わねば」とコンビニに行けば、その「あれ」をすっかり忘れてしまって、特に入り用でもないスルメなんぞを買って帰ってくる。 酒を飲むとさらにひ…

資本の論理(笑)と便器の数

おれは東京の目黒近くに住んでいるから、東海道新幹線にはもっぱら品川駅で乗る。実家が京都にあるので、京都で下りることもままある。 よく利用される方はご存知だろうが、このふたつの新幹線駅のトイレは小さい。したがって、よく列ができる。 朝早くに品…

四天王の邪鬼

東大寺にある四天王像である。左上から時計回りに持国天、増長天、多聞天、広目天。広目天は法華堂の、その他三体は戒壇院のものだ。 四天王像を前にすると、おれはいつも邪鬼が気になる。「邪鬼」であるから、邪(よこしま)なんだろうが、しかし、奈良時代…

米朝の「百年目」、志ん朝の「百年目」

金曜に休みをとって、自転車で東京を走った。上野から浅草へ出て、堀切から荒川の土手を走り、旧中川べりから門前仲町へと抜けた。雲間からぱっと日がさす瞬間が何度もあって、快かった。 桜(ソメイヨシノ)は場所によって二分咲きくらいだったり、ほぼ満開…

キング〇〇〇

映画「レヴェナント」を見た。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、レオナルド・ディカプリオ主演で2016年のアカデミー賞監督賞、主演男優賞を獲った映画である。 冒頭でディカプリオ演じる猟師が巨大なヘラジカを撃つシーンがある。それを見て、ふとキング…

痒みの知覚

おれはアトピー性皮膚炎で、かれこれ半世紀苦労してきた。生まれるとき、「あー、カイカイカイカイ。尻、カイー」とケツを掻きながらしかるべき場所から出てきたというのは、おれの生まれ育った小学校区でいまだに伝説になっているくらいである。 そんなわけ…